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元気なうちに始めよう!生前整理の4つのステップ

元気なうちに始めよう!生前整理

「生前整理はいつかしようと思うけど、もう少し先で良いかな……」生前整理について、こんな風にお考えではありませんか?生前整理がうまくいくかどうか、結果を決めるポイントは実は「元気なうちに始める」という点なのです。

生前整理を先延ばしにせず、できる部分から始めていきましょう。ここではなぜ生前整理を早めに始めた方が良いのかという理由や、今から始められる生前整理の方法について解説していきます。

元気なうちに生前整理をしておく理由は?

生前整理で大切なのは「いるもの」と「いらないもの」を振り分ける
生前整理はどうして元気なうちに始めた方が良いのでしょうか。主な理由としては、次のようなものが挙げられます。

判断力があるうちの整理が吉

生前整理とは、自分の身の回りのモノや財産・関係性等をスッキリと整理しておくことを言います。ですから生前整理で大切なのは「いるもの」と「いらないもの」を振り分ける「判断力」なのです。

この「判断力」は、残念ながら体力と同じように、いつまでも高いレベルを保てるものではありません。年齢とともに判断力は少しずつ衰えます。不要なモノなのに捨てられなくなり自宅がゴミ屋敷化したり、必要なモノをどんどん捨ててしまったり……高齢になってから始めた生前整理では、このようなトラブルも多く見られているのです。

元気で判断力がしっかりあるうちに「自分にとって何が必要か・不要か」を判断して生前整理を行えば、このようなトラブルのリスクを回避し、納得のいく整理が行えます。

体力があるうちが進めやすい

生前整理では、「身の回りのモノを整理して片付ける」といった工程もあります。物置やクローゼットの中等、しまいっぱなしになっていたダンボール箱を広げて、あれこれと片付ける…といった作業工程も少なくありません。

言うなれば、本格的な大掃除や引越に近いような作業が続くわけです。それなりに体力も使うわけですね。年齢を重ねるほど体力は減っていき、ほんの少しの作業をしただけでも回復に時間がかかってしまうようになります。サクサクと作業を進められる体力が充実している時こそが、生前整理を始めるうってつけの時期なのです。

病気やケガをしてからでは遅い?

私達は自分の判断力や体力について、20代から30代、30代から40代と年齢を経てきた時のように、ゆるやかな坂道のように体力低下をすると考えがちです。ところが高齢になると、一度の病気やケガでも体力は半分以下にまで低下してしまうことがあります。

また年齢を重ねてからの方が、病気やケガのリスクは高くなるものです。ケガをしておらず、大きな病気もしていない……そんな元気な状態のうちに生前整理を始めておけば、今後の備えにもなります。

家族の負担を減らせる

本人が生前整理で片付けきれなかった日用品や家具・家電等を片付けるのは、家族や親族ということになります。片付いていないものが多いほど、家族や親族の負担は増えることに。

反対に元気なうちに生前整理を始めておけば、家族や親族の負担は大幅に減らすことができます。本人も家族も気持ちよく過ごすことができることでしょう。

生前整理の4つのステップ

元気なうちに生前整理
では元気なうちに、どのように生前整理を進めていけばよいのでしょうか?
ここではその一例を見ていきましょう。

1.カードや契約の整理から始めてみよう

まずは手近な部分、財布の中や書類ファイルなどの整理から始めてみましょう。使っていないカード、使わないままになっているサービスはありませんか?

  • 1年以上使用していないポイントカード
  • 利用の予定が無いクレジットカード
  • 付き合いで入った保険
  • 使っていないジムやスポーツクラブのサービス
  • 2台持ちしていた携帯電話
  • もてあましているサブスクリプション・サービス  等

ポイントカード等は破棄するか退会を。またクレジットカードは各社のカスタマーセンターに問い合わせて、解約の手続きをとりましょう。「そのうち使うかも」と思いながら数年、十年以上…そんな不要なものとオサラバすることで、気持ちもスッキリとするはずです。

年契約にはリマインダー・リストを

携帯電話やサブスクリプション・サービス等の契約内容によっては、契約が年単位となっており、更新月にしか解約等の手続きができない場合があります。契約内容によっては更新月以外の解約を行うと違約金や契約解除金が発生する場合があるので、不用意に解約をするのには注意が必要です。

まずは入会時の契約書や、公式サイトのアカウントのマイページ(会員情報)などを見て、更新月がいつになるかを確認しておきましょう。

更新月になったら解約手続きを忘れることのないように、手帳やカレンダーに書き留めたり、携帯電話やスマホでリマインダー設定をしておくと安心です。

2.財産目録を作ろう

財産目録
次に自分の資産や財産を一覧にした「財産目録」を作ってみましょう。

プラスの資産 現金
貯金(通帳)
株券等の有価証券
不動産関連の書類
絵画
宝飾品
着物
骨董品 等
マイナスの財産 借金・負債
売掛金 等

プラスとなる資産・財産のみならず、借金・負債がある場合にはその点もひと目でわかるようにしておくことが大切です。自分に何かが有った時に、家族や親族が遺産の状態をスピーディに把握できれば、それだけ相続におけるトラブルも回避できます。

状態によっては不用品整理の後に

現在、部屋や物置が片付いておらず、何をどれだけ持っているのかを把握することが難しい……このような場合には、次の3.や4.のステップで片付け・整理を行ってから財産目録に取り掛かりましょう。

中途半端な財産目録を作ってしまうと、かえって相続時のトラブルを増やす恐れがあります。

3.人間関係も整理を

元気なうちに整理しておきたいものの一つには、人間関係も挙げられます。なんとなく年賀状のやり取りだけは続いている関係、すでに仕事は終わっているのに義理のお付き合いが続いている関係……そんな関係を整理してみませんか?

終活年賀状を送ってみる

年賀状だけの薄いお付き合いに区切りを付けたい……そんな時には、来年からの年賀状を辞退する「終活年賀状」を送ってみるのも手。急に黙って年賀状を出さなくなるよりも、「今年にて」と区切りを付ければ相手にも失礼がなくなります。

「高齢になり今まで通りのお付き合いも難しくなってきましたので」といった理由をつければ、角も立ちにくいですね。最近ではこのような活動は「年賀状じまい」と呼ばれることも。年末になってから慌てる前に、早めに年賀状じまいの支度をしておくと良いでしょう。

葬儀に来て欲しい人をリストアップ

老後にお付き合いを続けたい人を考えることも勿論ですが、「自分の葬儀に誰に来てほしいか?」を想定しておくことも大切です。

一般的な葬儀の場合、故人の家族や親族が、故人のアドレス帳や手紙・年賀状等を参考にしながら知人・友人に連絡を取ることになります。ただしこれだと、あまりお付き合いが無かった方にも葬儀の連絡が行ってしまったり、反対に親しかった方に連絡が行かない恐れも考えられます。

「自分に万一のことがあった場合、どの人に連絡を取って欲しいのか?」これをしっかりわかりやすくリスト化しておけば、家族や親族はスムーズに連絡を取れることでしょう。

リスト化する連絡事項

友人・知人の氏名
よみがな
固定電話番号
携帯電話番号
メールアドレス
住所
LINE・Twitter等のアカウント

4.身の回りの不用品を処分しよう

「もったいないから」と手放さずに置いておいたもの、「いつか使うかも」と取っておいたもの……家の中にそんなものが溢れていませんか?不用品を処分して家や物置をスッキリとさせれば、万一の際の家族の負担を減らすだけでなく、老後を自分が気持ちよく過ごす助けにもなります。

必要/不要な品の仕分けから

身の回りのものを一つ一つ片付けていこうとすると、なかなか生前整理の作業は進まないものです。まずは普段使わない部屋や一つのコーナーを片付けると決めて、そこにある全てのものを次のように仕分けすることから始めてみましょう。

1)生活や仕事に必要なもの

  • 生活必需品
  • 仕事道具
  • 頻繁に使う趣味の道具
  • よく着るワードローブ 等

今後も生活や仕事に必ず使うもの、今後の老後生活に必須となるものについては手元に残します。

2)貴重品

  • 通帳
  • 現金
  • 有価証券 等

価値のあるもの、手元に残す財産は何がどれだけあるか把握しておきます。必要な場合には、金庫の購入や貸し金庫サービスの利用等も考慮した方が良いでしょう。

3)思い出の品

  • 写真
  • 記念品
  • 家族の愛用品 等

思い出の品はこれからも見返すことがありますから、すべてを処分する必要はありません。しかし量が多い場合には、必要最低限に量を抑えた方が良いでしょう。

例えば写真が膨大にあるのならば、お気に入りの写真だけを抜き取ってよりすぐりの1冊のアルバムを作るのも手。またデジタルデータにまとめて、場所を取らないようにする方法もあります。

4)不用品

  • 何シーズンも着ない服
  • 読まない本
  • 聞かなくなったCD
  • 使わない家電
  • 不要な家具
  • 乗らなくなった自転車 等

今後の老後生活に不要なもの、使わないと思われるものは、不用品としてまとめます。例えば趣味の用具等でも、十年以上も放置しているものは、今後使う可能性は低いですよね。

5)保留のもの
本来は手放すべきかもしれないが、迷ってしまう…そんな時には、一旦判断を「保留」にしましょう。ただし保留にしたまま放置すると、そのままモノを保管しっぱなしになってしまいます。これではいつまでも生前整理ができませんね。

保留にしたものは6ヶ月後、12ヶ月後に必ずもう一度チェックを。その時までにも使っていないようであれば、「不用品」にスライドさせます。

捨てられないものはリサイクルへ

「不要だけれど、捨ててしまうのはちょっとしのびない」…そんな時には、リサイクルやリユースのお店を利用してみるのはいかがでしょうか。中古品を買い取るお店やネットオークション等を利用すれば、不要な品に再度、活躍の場を与えることができます。

リサイクル・リユース先の例 中古書店
中古CDショップ
中古品買取業者
古着屋
フリマアプリ
ネットオークション 等

ただし中古書店・中古CDショップ等では、状態やモノによっては引取不可となったり、ほとんど値がつかないこともあるので要注意です。またフリマアプリ等では一点ずつ購入者とやり取りをするので、それだけの手間がかかることには留意した方が良いでしょう。

処分は自治体のルールに則る

リサイクル等ができないものについては、自治体のルールに従って処分を行います。

粗大ごみ
ほとんどの地域では、一辺の大きさが30センチ~40センチ以上のものは「粗大ごみ」として扱われます。粗大ごみの処分法・手数料等は自治体によって異なりますので、市役所やホームページ等で確認の上で、引取等の手続きをしましょう。

リサイクルごみ
次のような製品は「家電リサイクル法対象機器」であり、粗大ごみとしては捨てることができません。

  • エアコン
  • TV
  • 洗濯機
  • 冷蔵庫
  • 衣類乾燥機 等

処分をする場合には、購入店舗に連絡を取って回収をしてもらうか、家電リサイクル受付センターに問い合わせをしましょう。

生前整理業者と一気に片付ける方法も

最短1日で遺品整理
生前整理の作業を見て「大変そう」「手間がかかりそう」とゲンナリしてしまった人も多いかもしれませんね。確かに生前整理の作業は、ちょっとした引越等よりも作業量が多くなってしまうケースが珍しくありません。

そんな時にはプロに任せてみるのも手です。生前整理の専門業者に外注すれば、スムーズに片付けを進めることができます。

搬出も処分も一日で済む

生前整理の専門業者であれば、ベッドや本棚等の大型家具の搬出もスタッフがすべて行ってくれます。「大きな家具や家電が動かせない」と悩む必要はありません。

また作業もスピーディーで、搬出から処分まで、原則として一日で片付けが終わります。「不用品がいつまでも片付かない」「自治体のゴミの引取日を待たなくてはならない」といった心配も無用です。

リサイクルも一緒にできる業者も

生前整理の業者の中には、リサイクルショップと提携し、不用品の買取やリユースを引き受けているところもあります。

中には不用品の買取分を相殺して、生前整理の料金を安く抑えてくれるところも。「不用品を捨てたくはないけれど、ひとつひとつをリサイクルするのは大変」と思っていた方は、このような生前整理業者を選んでみてはいかがでしょうか。

おわりに

生前整理のやるべきことを見て、「思っていたよりやることが多い!」と驚いた方も多いのではないでしょうか。私達はそれだけ、大量の不要なモノに囲まれて生きているのだということかもしれませんね。

必要な品と不要な品をきちんと取捨選択できれば、老後の人生はよりスッキリと豊かなものになることでしょう。元気に作業に取り組める「今」こそが、生前整理をスタートする最高の機会となるはずです。

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