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遺品整理でどうする?ペンキ・スプレー缶・農薬の処分方法

ペンキ・スプレー缶・農薬の処分方法

親族が亡くなった後、家屋の中を整理して不要品は処分する「遺品整理」は、ご家族にとってなかなか大変な作業のひとつです。特に遺品整理で悩ませるのが、ペンキやスプレー缶、農薬等の処分方法ではないでしょうか。

遺品として残されたペンキやスプレー缶、農薬等は「そのまま普通のゴミとして出せない」というだけでなく、ムリにゴミ出しすると不法投棄として犯罪扱いになったり、大きな事故を起こし責任問題となるリスクもあります。

遺品整理でのトラブルを回避するためにも、正しい処分方法を知っておきましょう。ここでは遺品整理でペンキやスプレー缶・農薬等を処分する方法について解説していきます。

遺品整理でペンキを処分する方法

遺品整理でペンキを処分
まずは遺品整理で意外と多い「ペンキ」の処分方法です。故人の趣味がDIYだった場合等には、たくさんのペンキが遺されていることもあります。

「ペンキのまま」は捨てられない自治体が多い

液体型のペンキ(一斗缶やブリキ缶等に入ったタイプ)は、50%以上の自治体が「液状の中身が入ったままでは回収NG」としています。中身が入ったままでは、不燃ごみ等で処分ができない可能性が高いというわけです。

自治体のゴミ処理可否について調べるのがベストなのはもちろんですが、ここでは「自治体が液体ペンキ回収NG」の場合を想定して話を進めます。

  1. ペンキの中身を処分して容器を空にする
  2. ペンキの容器を処分する

この2段階であれば、どの自治体でも「ゴミ」として処分が可能です。

ペンキの中身の処分方法

まずはペンキの中身を処分していきましょう。ペンキの中身はそのままでは回収不可ですが、何らかの形で「液体ではない」形にすることで「可燃ごみ」としてゴミ出しすることができます。

1.布や新聞紙に塗り広げる

一番カンタンな方法が、不要な布や新聞紙、不要な紙などにペンキをどんどん塗って乾かしてしまうというものです。

  1. 床にはゴミ袋やビニール剤などを敷いておく
  2. 新聞紙・布などを広げる
  3. ペンキを塗っていく
  4. 速乾タイプであれば重ね塗りもOK
  5. 布や新聞紙を完全に乾かす
  6. 自治体指定の可燃ごみの袋に入れる
  7. 可燃ごみとして集積所に指定日に出せばOK

ペンキ1缶くらいの量や使い残しであれば、ほぼこの方法で処理ができます。スプレータイプのペンキの場合も、同様に新聞紙等にすべて吹き出させておきます。

2.固化材で固める

「ペンキがたくさんあって、いちいち塗っていくのは大変」という時には、固化材を使いましょう。固化材とはペンキを固めるための特殊な薬剤のことです。ホームセンターでも購入できますが、最近ではAmazonや楽天など、インターネットでも手軽に購入できます。

  1. ペンキを別容器に移す
  2. 固化材を加えてよく混ぜる
  3. 固まるまで放置する
  4. 新聞紙の上に広げてさらに乾かす
  5. 自治体指定の可燃ごみの袋に入れる
  6. 可燃ごみとして集積所に指定日に出せばOK

なお固化材は「水性ペンキ用」と「油性ペンキ用」で成分が違うので、よくチェックしてから購入しましょう。わからない時には製品の写真や品番などを控えて、ホームセンターのスタッフさんに相談してみると良いですよ。

ペンキの容器の処分方法

ペンキの中身を処分できたら、次のペンキの入れ物(容器)を処分していきます。

1.自治体の「不燃ごみ」対応を確認しよう

小さいペンキの容器(20センチ前後のもの等)であれば、中身を処分して空にすることで「不燃ごみ」として処分ができます。

しかし近年では「不燃ごみ」についてサイズ設定を厳しくしている自治体が多いです。一辺の大きさが30センチを越える不燃ごみは「粗大ごみ」の扱いになる自治体もあります。

遺品整理をする家屋がある自治体役場の公式サイトで、「ごみの分別」について調べてみましょう。何センチから粗大ごみになるか必ず確認してから容器を処分しないと、容器を引き取ってもらえないことになります。

2.容器が「粗大ごみ」になる場合には

容器が「粗大ゴミ」になる場合の処分方法は、自治体によって異なります。

【例1:無料引き取りが可能な自治体】

  • 指定の集積所まで自分で運搬できれば無料
  • ゴミ集積所に事前に申込みすれば無料 など

【例2:有料引取となる自治体】

  • サイト上で事前申込みをしてから有料シールを購入し、有料回収
  • 指定の集積所まで自分で運搬して有料で回収 など

自治体のホームページで「粗大ごみの処分方法」を確認しましょう。

遺品整理でスプレー缶を処分する方法

スプレー缶を処分する方法
遺品整理ではスプレー缶の処分も重要になります。虫除けスプレー、ヘアスプレー、消臭スプレーなど、種類は中身もさまざまです。

スプレー缶はそのまま処分できない

まず、スプレー缶を中身を入れたままゴミとして処分することはできません。2018年の札幌不動産仲介店舗ガス爆発事故以来、各自治体のスプレー缶処分方法のルールは非常に厳格化されています。

そのままスプレー缶を集積所に出しても回収されないだけでなく、警察に不法投棄として通報される恐れもあります。

  1. スプレー缶の中身を処分する
  2. スプレー缶の容器を処分する

ペンキと同じように、スプレー缶もこの2段階で処理を行っていきます。

スプレー缶の中身を処分する

まずはスプレー缶の中身をすべて使い切りましょう。

1.屋外で散布する

もっともシンプルなのは屋外の空気に散布してしまう方法です。消臭スプレー、除菌スプレー等はこの方法で処理できます。

ただし、必ず作業は屋外で行いましょう!「換気扇をまわしているから」と屋内でムリに散布作業を行えば、爆発、火災等が起こる可能性が高いです。

2.紙に吸わせる

髪染めスプレー、スプレー型ペンキ等の場合には、中身を空中に散布すわけにはいきませんね。この場合には大きな可燃ゴミ袋の中に新聞紙を入れて、その中にスプレーの中身を吹き出していきます。

中身を新聞紙が吸いきってくれればOKです。余分な気体は屋外で放出させてゴミ袋の口をしばり、可燃ごみとして処理できます。

【ガス抜きキャップを活用しましょう】
現在のスプレー製品には、最後まで中身をキレイに安全に使い切れるように「ガス抜きキャップ」がついています。製品パッケージの説明書をよく読んでキャップを活用し、中身を使い残さないようにしましょう。

スプレー缶の容器を処分する

次にスプレー缶の空になった容器を処分していきます。

スプレーの穴あけは必要?不要?

スプレー缶に穴をあけてからゴミ出しするかどうかの対処は、自治体によって異なります。例えば東京都港区の場合には、缶に穴を空けることは禁止されています。必ずゴミ出しをする自治体のHPで「スプレー缶の穴あけ」について確認しましょう。

スプレー缶の捨て方は自治体により異なる

スプレー缶のゴミとしての分別や処分方法も、自治体により大きく異なります。

例)
東京都港区 → 不燃ごみ
東京都文京区 → 資源ごみ
神奈川県横浜市 → 可燃ごみ 等

遺品整理をする家屋がある自治体のホームページで、「ごみの分別・出し方」を確認してみましょう。ホームページ・公式サイトでスプレー缶の扱いがわからない場合には、自治体窓口またはごみ集積所まで問い合わせてください。

大量のスプレー缶を処理するには

自治体によっては、一度に大量のスプレー缶を集積所に出せない場合があります。(スプレー缶に使い残しがあった場合、1缶程度であれば問題がなくても、大量の残量によって火災・爆発等のリスクが高まるためです)

遺品整理の際に大量のスプレー缶が出た場合には、少しずつ分けて通常ゴミとして処分していくか、自治体ごみ集積所に一括での回収を依頼しましょう。

遺品整理で農薬を処分する方法

農薬
故人が園芸やベランダ菜園などがご趣味だった場合、「遺品整理の際に農薬が見つかる」というケースも少なくありません。遺品整理の際、農薬はどのように処分をすれば良いのでしょうか。

農薬もそのまま処分・流して処分はNG

農薬についても上記の「ペンキ」「スプレー缶」と同様、中身が入った状態でそのまま処分することはできません。また、瓶や缶に入った液体タイプのスプレー缶を水道に流して捨てるのもNGです。

農薬の薬剤は水に流すと分解しきれず、環境汚染の原因となります。農薬は量によっては一般廃棄物ではなく産業廃棄物に当たることも。この場合、適当に処分すると法令に抵触し、なんらかの処罰となる恐れもあります。

  1. 農薬の中身を処分する
  2. 農薬の容器を処分する

ご家庭での処理の場合、ペンキ缶やスプレー缶同様、中身と容器を分けて処分していくのが原則です。

農薬の中身を処分する

一般的なご家庭での園芸に使用する量の農薬の場合、ほとんどが使い残しですから、庭に撒いたり土に埋めたりする方法での処分が可能です。有機物で生成された農薬であれば時間が経つごとに地中で分解されていきます。

農薬の容器を処分する

農薬を入れていた容器は、ご家庭で利用している量の場合、一般ごみとして処分することが可能です。中身をすべて処分したら水道で中をキレイに洗い、「プラ」「紙」「ビン」等の容器素材をチェック。自治体の処分方法にあわせて、可燃または不燃ごみで処分します。

大量の農薬を処分するには

農薬や除草剤等の量が大量であり、自宅の庭などでの処分が不可能である場合にはどうしたらよいのでしょうか。

1.農協(JA)に問い合わせる

遺品整理する家屋近隣を管理する農協(JA)があれば、JAでの農薬廃棄が可能かどうか問い合わせてみましょう。持ち込みのみの対応となるケースもありますが、有料でも比較的安価に処理を行ってもらえることが多いです。

2.自治体窓口に問い合わせる

お近くにJAが無い場合には、自治体の役場のごみ処理窓口に問い合わせてみましょう。自治体と連携した産業廃棄物処理業者等を紹介してもらえることもあります。

3.産業廃棄物処理業者に問い合わせる

大量の農薬は産業廃棄物となるため、一般的なゴミを扱う不用品回収業者では処分ができません。産業廃棄物処理免許を持った回収業者に依頼し、有料で農薬を引き取って貰います。

農薬の引取費用は、1キロあたりだと200円~300円程度が相場です。ただし農薬の内容(水銀を含む等)によっては処分が非常に難しく、1キロあたり1,000円以上の処分費用が発生することもあります。

処分が面倒な時は遺品整理業者に依頼!

遺品整理でのペンキ・スプレー缶・農薬の処分方法について目を通して「意外と手順が多い」「量が多いと面倒かもしれない」と感じた方も多いのではないでしょうか。

遺品整理だとこれらの特殊製品だけでなく、様々な日用品類・家電・家具などの仕分けや処分を行っていかなくてはなりません。それでなくても故人が亡くなってしばらくの間は、ご家族は傷心しお疲れの時期でもあります。少しでも遺品整理にかかる労力を減らしたい…という方が多いことでしょう。

こんな時には、遺品整理専門業者に片付けを依頼してみるのもひとつの手です。

部屋丸ごと・一軒家をまとめて遺品整理

遺品整理業者には、マンションやアパートの一室丸ごと・一軒家のすべての家財の仕分けや不用品処分を依頼することができます。

ペンキ・スプレー缶・農薬等の処分が難しい品はもちろん、ベッド等の大型家具、リサイクル家電等の処分も一気にまとめて行うことも可能です。

アパート・マンションであれば片付けはほぼ1日、一軒家でも2~3日で終了します。「遺品整理したいが家が遠方でなかなか行けない」「早めに遺品整理を済ませたい」という場合には、家屋まるごとの遺品整理の依頼がピッタリです。

処分が難しい品物だけ指定して処理依頼

「片付けは自分達で行えるが、処分が難しい品物だけはなんとかしてほしい」という方もいらっしゃることでしょう。遺品整理業者によっては、このような品名指定での不用品回収・処分も行えるところがあります。

特定品目だけの遺品整理が可能かどうか、業者に問い合わせてみましょう。問い合わせる際には、片付け・処分を依頼したい品目と「量」を必ず正確に申告することが大切です。

おわりに

遺品整理でのペンキやスプレー缶、農薬等の処理には、多くの方が頭を悩ませるようです。中には適当にゴミ出しをしたことで近隣とのトラブルになったり、思いもかけず「不法投棄」という扱いになり、警察レベルの問題となってしまうケースも見られています。

「たかが不用品」と侮ることなく、適切な処分を行うことが大切です。また処分方法等に困った時には、自治体への問い合わせと併せ、遺品整理業者などの専門家への相談も早めに検討しておくことをおすすめします。

 

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