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生前整理は30代から?メリット&やることリスト

生前整理メリット

自分らしい人生を送るために財産や持ち物を整理する「生前整理」をする人は、年々増えているようです。最近では「終活」の一環としてシニアが生前整理を行うだけでなく、30代・40代でも前向きに生前整理に取り組む人が珍しくなくなってきました。

でも「生前整理をする意味は?」「生前整理に興味はあるけど、何をすれば良い?」と悩んでいる人もまだまだ多いのではないでしょうか。ここでは生前整理に早くから取り組むメリットと、今日からスタートできる生前整理のやることリストを解説していきます。

生前整理をするメリット

生前整理をするメリット
生前整理が人気となっている理由としては、次のようなメリットがあることが挙げられます。

家族や親族の負担を減らせる

人間にとって「死」はいつ起こるかわからないものです。20代・30代であっても、病気や事故で亡くなる可能性は否定できません。あなたが亡くなったら、もちろんご家族や親族は悲しむことでしょう。しかしそれと同時にご家族や親族にのしかかるのが「遺品の整理の負担」です。

人間ひとりが暮らしていくには、たくさんの家具や日用品、衣類等が必要になります。残された家族達は、悲しみの中でこれらの整理に取り組まなくてはなりません。しかし生前整理で不用品等を手放しスッキリとさせておけば、家族・親族の負担は最低限にまで減らすことができます。

希望する贈与・相続ができる

自分の財産や愛用品についてどのような相続・贈与をしたいか、ハッキリとまとまっていますか?そもそもご自分がお持ちの資産(現金や不動産、その他骨董類等)がどれだけあるかを把握していなくては、相続や贈与のプランをきちんとまとめるのも難しいですよね。

また「資産」ではなくても、例えば「愛用した書籍やコレクション類は仲良しの友人に譲りたい」「着物は娘に受け継いでほしい」といった希望がある方は多いことでしょう。

生前整理で自分が何を持っているのかを見直せば、財産類や自分の所持品の贈与・相続についての希望プランを立てやすくなります。そしてそれらを書類化すれば、ご家族や親族にあなたの希望がキチンと伝わるのです。

相続トラブルを減らせる

故人の相続・贈与の意思がわからないことによる相続トラブルは跡を絶ちません。「自分はそんなに財産持ちではないから……」と考える方も多いようですが、相続トラブルの32%は総資産1,000万以下のご家庭で起こっています。たとえ数十万の財産でも相続トラブルは起きうると考えた方が良いです。

生前整理であなたの意思をハッキリと示すことによって、ご家族・親族間で起こりうる無用な相続トラブルをなくすことができます。

災害や有事の際も安心

生前整理はあなたの死後に役立つだけではありません。持ち物の何がどこにあるかを明確にさせておくことで、例えば急な入院時等にも落ち着いて対処ができます。

自分の所持品を把握しておけば、災害時等に「貴重品はどこにあったっけ?」とバタバタすることもありません。

日常生活が快適になる

たくさんの不要なものに囲まれて、窮屈で暮らしにくい生活を送っていませんか?生前整理で不用品をきちんと処分すれば、これからの毎日をスッキリと気持ちよく過ごすことができます。

ムダなコストを減らせる

使わない家電、着ない衣類…このような「不用品」を保管するために余計なコストをかけていませんか?要らないものを減らして所有品をスリムにすれば、トランクルームや貸倉庫等にお金を使う必要もありません。ムダなコストを減らして、浮いたお金を有意義に使うことができます。

老後の安心感がアップ

「生前整理はもっと年を取ってからでいい」と考えていたら、年を取って判断力が落ちてしまった……こんなケースは、実は珍しくありません。

認知症は一般的には高齢者に多い病気と思われていますが、実際には20代~40代で始まる「若年性認知症」の患者も増えています。また認知症に至らずとも、体力の低下などで長時間の荷物の整理に取り組むことが難しくなるケースも多いです。

自分の判断に自信を持てるうちに生前整理をして所持品の要・不要や相続意思を決定しておけば、老後の安心感がワンランク上がることでしょう。

今日から始める生前整理リスト

生前整理リスト
様々なメリットがある生前整理。でも生前整理を始めるには何から手をつければよいのでしょうか?生前整理のやることリストを見ていきましょう。

生前整理は「仕分け」から

まずは身の回りのものを次のように仕分け・分類してみましょう。

1)必要なもの
生活必需品や仕事道具等、日常生活に欠かせないもの、また今後も使うことが確定しているものがここに含まれます。例えば趣味のグッズでも、毎週・毎月のように使用しているなら「必要なもの」ですよね。

2)不用品
着ていない服、嗜好が変わって使わなくなったグッズ、使わなくなった家電や家具、乗らない自転車等、最近の生活で使っていないものが「不用品」となります。

3)思い出の品
写真や記念品等が「思い出の品」です。ただし量が多い場合は、これも必要最低限に整理します。例えばお気に入りの写真だけを「よりぬきアルバム」にする……といった具合です。

4)不要だが迷うもの(保留)
使っておらず不要なのだが、捨てるには忍びない…捨てることに迷ってしまった場合には「保留」の分類にします。

ただし保留したものをそのまま元の場所に戻すのはNG。リスト化するかダンボール箱等にひとまとめにして、半年後または1年後に「保留にした品の見直し」を行いましょう。半年~1年経過しても使わないのであれば、すみやかに「不用品」に移行させます。

貴重な書類はまとめよう

重要書類を部屋のあちこちに分散させたり、何がどこにあるかわからなくなっていませんか?

重要書類の例 保険証書
不動産関連書類(登記簿等)
契約書(賃貸契約書、携帯電話、ネットサービス等含む)
公共料金の振込書・領収書
クレジットカードの明細書や通知
税金関連の書類
督促状 等

上のような書類はひとまとめにして、わかりやすくファイリングしておきましょう。

有事の際にもスムーズに手続きができます。重要処理はあなたが亡くなった後の保険手続きやサービス契約終了のための手続き等にも必要となりますから、ご家族・親族等の手間を軽減するためにも大切な工程です。

財産目録・持ち物リストを作ろう

財産目録
財産目録(ざいさんもくろく)とは、あなたの財産の何がどれだけあるかを示すリストのようなものです。

財産というと「現金(通帳)」をイメージする方が多いですが、次のようなものも財産の一部となります。

財産目録の掲載品例 現金
預貯金
家・土地等の不動産
自動車
有価証券
宝石
骨董品
絵画・書画等

あらかじめ財産目録を作っておけば、相続手続きの際の家族・親族の財産調査のプロセスを大幅にカットできます。また財産の全体像を把握することで、「何を」「誰に」「どの程度」相続させるか?というプランがまとまりやすくなります。

「財産」以外に趣味のコレクション(書籍、レコード、CD、フィギュア、ワイン、ブランドバッグ等)をお持ちの方は、財産目録以外に「持ち物リスト(コレクションリスト)」を作ってみるのがおすすめです。コレクションを今後どの程度増減させるか、自分の死後の譲渡先等を考えるきっかけとなります。

遺言書を準備しよう

遺言書
「自分の財産の行き先をキチンと決めたい」という人はもちろん、「ご家族・親族での相続トラブルを防ぐ」という意味でも、遺言書を準備しておくことは大切です。

遺言書には公証人関与の元で証人2名が立ち会って作成する「公正証書遺言」と、自身で書いて遺言を残す「自筆証書遺言」があります。2020年7月10日からは、相続法の改正によって自筆証書遺言も法務局保管が認められるようにもなりました。

令和2年7月10日から法務局による自筆証書遺言書保管制度がスタートしました。

今までは自分で書いた遺言書は自分で保管をしなくてはならなかったわけですが、盗難等のリスクがグッと減ったのは嬉しいところですね。また法務局保管の自筆証書遺言であれば、死後の家庭裁判所における遺言書検認(遺言書が正しいものであるという確認作業)も必要ありません。

ただし自筆証書遺言の場合、「自筆(手書き)である」「押印がある」といったいくつかの条件をすべて満たしていること、書き方が明瞭でわかりやすいこと等が必須となります。メールでの遺言書等では法的な効力は持ちません。遺言書の記入例等を参考にしつつ、正しい形を遵守することが重要です。

エンディングノートを書こう

「エンディングノート」とは、葬儀やお墓・財産についての希望、残される人たちへのメッセージ等を記しておくノートのことです。遺言書とは違い法的効力を持つものではありませんが、残された家族・親族に自分がどのような意思を持っていたかを伝えることができます。

「遺言書」となると身構えてしまう……という人でも、エンディングノートからであれば取り掛かりやすいのではないでしょうか。

財産以外の所有物の譲渡先・処分について等も、エンディングノートにまとめておくとご家族の負担軽減に繋がります。

不用品はリサイクル・処分に出そう

仕分け作業で「不用品」と判断したものは、すみやかに自分の手元から手放すようにしましょう。

ごみ分別・処分法は自治体に確認

ごみの処分方法は手数料は、お住まいの自治体(市区町村)によって異なります。自治体の公式サイト・ホームページのゴミ処理コーナーを確認し、必要な場合は粗大ごみ等の引取申込の手続きを行いましょう。

自治体で収集できないゴミに注意

エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機・衣類乾燥機等は「家電リサイクル法対象機器」となるため、自治体ではゴミ収集ができません。購入店舗に回収を依頼するか、家電リサイクル受付センターに回収の申込みをします。なお回収・リサイクルには収集運搬料金・リサイクル料金がかかります。

フリマアプリやリサイクルショップを活用

「自分には不用品だけれど、いきなり捨ててしまうのはもったいない」…そんな時には「不用品を売る」という手段を視野に入れてみましょう。

最近では古本屋や古着屋(セカンドショップ)等に中古品を売る方法だけでなく、ネット上での売買を行うフリマアプリ『メルカリ』やネットオークション等を活用する方法も人気です。

生前整理業者に依頼するのも手

リサイクルイズミ遺品整理チーム
「思っていたよりもやるべきことがたくさんある」「自分だけで生前整理を行うのはちょっと難しいかもしれない……」生前整理にやるべきことのリストを見て、そう考えた人も多いのではないでしょうか。

最近では生前整理をもっと気軽に行いたい方のために「生前整理専門の業者」も登場しています。このような業者に協力を依頼するのも手です。

大物家具や家電もスッキリ

運搬が大変な大型家具や家電も、生前整理業者であれば一日でまとめて運んで回収してくれます。リサイクルショップと提携している業者の場合、比較的新しい家電であれば、リユース・リサイクルに回してもらえることも。買取価格分を代金で相殺し、生前整理のコストを安く抑えられる業者もあります。

物置解体や樹木伐採ができる業者も

家の中だけでなく、家の外側でも生前整理は行っておきたいところです。ご自宅の外側、このようになっていませんか?

  • 使わない植木鉢が積み上がっている
  • 乗らないバイクや自転車が放置されている
  • 不用品を捨てたら物置が要らなくなった
  • 庭の手入れをしておらず木がボウボウになっている 等

最近では大型家具の運搬・処分等だけでなく、物置の解体や樹木の伐採等を請け負ってくれる生前整理業者も登場しています。また業者の中には、廃車処理代行ができるところも。自宅周りや庭の生前整理も行っておきたい場合には、このようなオプションサービスがある業者を選ぶと良いでしょう。

おわりに

生前整理は今までの自分を振り返り、これからの自分を見つめ直す良い機会にもなります。「もう少し後になってから」と生前整理を後回しにし続けていると、後々になって「もっと元気なうちにやっておけばよかった……」と後悔してしまうかもしれません。

また最近では、息子・娘の世代が早くから生前整理に取り掛かったことで親世代が刺激を受け、終活や生前整理に前向きに取り組めるようになったというケースも多く見られるようになっています。「まだ先のこと」と考えず、今から、今日から生前整理に取り組んでみましょう。

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