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実家の片付けで失敗?注意すべき理由とポイントとは

実家の片付け

様々な理由で「実家の片付け」に取り組んでいるという人は多いもの。でもあるネットアンケート会社の調査によれば、「実家の片付けで失敗した」と回答した人は経験者のうち78%にものぼるのだそうです。約8割もの人が実家の片付けに失敗をしているということになります。

なぜ実家の片付けには失敗しやすいのか?実家を片付ける時、どんな点に注意をしていくべきなのか?--これを知っているのと知らないのでは、片付けの成果に大きく違いが出てくるのです。

ここでは実家の片付けをこれからする人にぜひ知っておいて欲しいポイントを、わかりやすく解説していきます。

実家の片付けを始めるきっかけは?

そもそも実家の片付けをスタートさせるには、なんらかのきっかけがあるものです。皆が実家の片付けを始めたきっかけにはどんなものがあるのでしょうか?

親や家の様子に違和感をおぼえた

お盆や正月の長期休暇で実家に戻った時、親の様子や家の様子が昔とはなにか違う…こんなことから「実家を片付けた方が良いのでは?」と考える最初のきっかけになったという人が多いです。

  • 部屋が片付かなくなっている
  • ホコリや掃除の行き届かない場所が増えた
  • 不用品を溜め込んでいる
  • 郵便物などを溜め込んでいる
  • 冷蔵庫や食品ストックに賞味期限切れのものが増えた 等

「何かが違う」と感じる直感はとても大切なタイミング。親が高齢で体が思うように動かなくなっていたり、認知症の初期症状が始まり、不用品等の判断がうまくできなくなっていることもあります。

家庭での介護や動線の確保

親の高齢化が進むと、スムーズに行かなくなってくるのが「家の中での歩行」です。ほんの少しの段差につまづきやすくなる、何かに掴まっていないと上手に歩けない…足の状態によっては、手すりの設置や段差の解消等の本格的なリフォームが必要となることもあります。

またさらに歩行が難しくなった場合、室内で歩行器等を利用したり、ヘルパーさんや家族による歩行解除が必要となることも。今まで一人であれば問題がなかった家の動線も、モノが多い状態だとスムーズに介助・介護ができなくなることがあります。

  • 家具等にぶつかってのケガや転倒を防ぐため
  • 家庭内での介護を行うため
  • シニアリフォームを行うため 等

入所や入院が迫っている

親の体の状態が思わしくなかったり、家庭内での介護が難しい場合等には、病院での長期入院や高齢者施設への入所が必要となります。特に施設への入所の場合は、ある意味では引越のようなもの。親が独居だった場合には家が「空家」となるわけですから、できるだけ早く片付けをしなくてはなりません。

  • 高齢者施設への入所が決まった
  • 施設への入所を検討している
  • 入院が続いている、入院が多い 等

より素早い実家の片付けが必要とされるケースです。

生前整理・終活の一環として

近年では親の世代が「自分が老いて判断力や体力が落ちる前に」と、積極的に実家の片付けに乗り出すケースも増えてきました。

  • 生前整理をしておきたい
  • 断捨離をしたい
  • 終活を始めたい 等

親世代がこのような発言を始めたら、それは実家を片付ける絶好のタイミングと言えます。

ただし、高齢の親世代だけで片付けを終えることはありません。親族達が積極的に手伝ったり、専門の業者を探すといった手伝いをすることが大切です。

親が亡くなった後の遺品整理のため

最後は、親が亡くなった場合の実家の片付けです。この場合、親の財産だけでなく、生活用品や家具等のすべてを片付ける「遺品整理」という意味合いになります。

  • 親が亡くなったので遺品整理が必要
  • 空家になるので片付けておきたい
  • 実家を貸したり売却したいので片付けたい 等

この場合の実家の片付けは、思い出の品や貴重品等を手元に残し、その他はほとんどが不用品として手放すことになります。実家の片付けとしては最も大掛かりな作業になりやすいです。

実家の片付けでは失敗が多い?その理由は

ゴミ屋敷
様々な理由から実家の片付けに取り組んでみたものの、うまくいかずに放置してしまったり、良い結果にならなかった…このような「実家の片付け失敗例」はとてもたくさん見られます。なぜ実家の片付けでは注意しなくてはならないのかーーその理由を知るべく、失敗例を見てみましょう。

「そのうち」の先延ばしがゴミ屋敷に

親の生前の実家の片付けにおいて最も多い「失敗」が、「片付けを始めるタイミングの先延ばし」です。上でも解説したとおり、息子・娘世代は盆や正月等の長期休暇の帰省時に親の「異変」「違和感」に気づき、実家の片付けをしなくてはならないのでは…?と気づきます。

最初の「違和感」がスタートする年齢はまちまちですが、親が60代~70代頃に最初のきっかけがあったという人が多いようです。ところがこの時点で「すぐに実家の片付けに取りかかれた」という人はほとんどいません。

  • もう少し先でも大丈夫かと考えていた
  • 入所や入院が決まってからと思っていた
  • 親と話をする時間が取れなかった 等

様々な理由から「片付けの先延ばし」をしてしまうのです。ところが、残念ながら実家の片付けの問題は放置すれば自然解決するものではありません。

例えば現在65歳の親が85歳まで生きるとすると、あと20年を実家で暮らす可能性があります。その間、親はまだ生活を続けるわけです。買い物もしますし生活必需品もあります。そして残念なことですが、親の「片付ける体力」や「判断力」はどんどん衰えていきます。

さらに子ども世代も老いることにも注目しなくてはなりません。親が85歳になった時、息子世代も老年にさしかかり、片付けができなくなってゴミ屋敷問題が解決できなくなっていた-ーこんな失敗例、実は珍しくないのです。

「捨てる・捨てない」で親子喧嘩や断絶に

実家の片付けについて親の了承を得ていなかったり、親との話し合いが不足していたり…このような場合、親世代は「自分のモノを捨てられる」と強い拒否感を持つことがあります。

また子ども世代が片付けを焦るあまり、親にとって大切な思い出の品を黙って捨ててしまった…といったトラブルも。このようなトラブルが悪化すると、最悪の場合には親子の断絶といった甚大な被害になってしまうこともあります。

片付けてもリバウンドしてしまう

リバウンドとは、片付けた部屋の状態が元に戻ってしまうこと。実家の片付けが中途半端だったり、親の片付けに対する納得度が低かった場合、「リバウンド」が起こってしまうことがあります。

最悪の場合、片付け前よりも状態が悪化することも。実家の片付けには十分な注意が必要なのです。

計画通りにいかずに汚屋敷に

実家の片付けは、家族・親族の中の誰か一人だけで完成するものではありません。特に親がなくなった後の遺品整理は、引越をするレベルの作業と考えた方が良いです。

大きな家具や家電等の不用品処分等を行うには、数人以上の成人の人で、特に男手が必要となります。親戚や兄弟でスケジュールを合わせ、集団の作業を行わなくてはなりません。

しかし忙しい現代の社会人では、なかなか皆のスケジュールが合わない…ということも多々あります。実家の片付けが遅々として進まず、空家になった実家が次のような状態になってしまうことも多いです。

  • 荒れ放題の汚屋敷に
  • ホームレスや未成年者の住み着き
  • 異臭等の問題
  • 放火等のトラブル
  • 近所からの苦情問題

実家を片付ける時の7つの注意ポイント

では、実家の片付けを失敗しないためにはどのような点に注意をしていくべきなのでしょうか。

1.まずは「親子」や「親族」で話し合おう

実家の片付けをしよう!と決めた時、自分ひとりだけで計画を立て始めたり、作業をスタートさせるのはNG。特に親が片付けに承諾していない段階で生前整理をムリに進めるのは望ましくありません。

反対に高齢の親世代だけで片付けを思いつき、独断で作業を進めるのも避けた方が良いでしょう。まずは「実家を片付けよう」という話をキチンと親子間や親族間で話し合い、お互いの了承を得るところから始めることが大切です。

この時、次に解説する「目的」をきちんと話すと、了承を得やすくなりますよ。

2.実家を片付ける「目的」を定める

そもそもなぜ実家を片付けなくてはならないのか?この「目的」の部分を曖昧にしていると、片付け作業が適当になったり、親子間での認識のズレが起きてしまいがちです。

【生前整理の目的例】

  • 動きやすい「動線の確保」
  • 転倒等を防ぐ「安全の確保」
  • 高齢の体に合わせた「住みよい暮らしのため」

特に子ども世代が誤解しがちなのですが、生前整理の片付けは自分の私室の片付けとは異なります。目的は基本的に「安全のため」です。「見せかけだけの見た目の良さ」「おしゃれな暮らし」等ではありません。

例えばキッチンを隅々まで徹底的に片付けたとして、翌日から母親がキッチンのどこに何があるのか全くわからなくなる-ーこのような生前整理では失敗なのです。「安全」と「親の暮らしやすいスタイル」をよく考えた上で片付けを行うようにしましょう。

【遺品整理の目的例】

  • 思い出の品や遺品の分配
  • 遺産トラブルの防止
  • 空家の盗難や放火等のトラブルの回避
  • 実家の資産価値を下げないため 等

親の死後の実家の片付けでは、親族同士のトラブルの防止や、第三者による盗難・住み着きといったトラブルを回避することも重要な目的となります。

3.片付けの期限を設けよう

実家の片付けを「そのうちやろう」と考えていると、どんどん先延ばしになってしまいます。生前整理にしても遺品整理にしても、「ここまでには終わらせる」という期限を作るようにしましょう。

【生前整理の期限例】

  • 今年の年末までには生前整理を終わらせる→大掃除も済ませる

【遺品整理の期限例】

  • 四十九日が過ぎたら遺品整理を始める
  • 百箇日の法事までに遺品整理を終わらせる 等

4.作業は「1日3時間」を目安

片付けの計画を立てる際に、「週末は丸一日片付けをする」「1日6~8時間は片付けられるはず」といった目算を立てていませんか?

生前整理・遺品整理に慣れない人が片付けをすると、精神的にも物理的にも激しく消耗します。自分たちで行う場合に稼働できる時間は「1日3時間程度」であると考えた方が良いです。

この時間を目安にして、ムリのない計画を立てていきましょう。

5.「まずは仕分け」を徹底する

実家の片付け作業で、いきなり不用品を捨てることから始めていませんか?大量の物品を片付けるには、まず「仕分け」を行うことが大切です。仕分けとは、モノをいくつかのグループに分類することを言います。

仕分けの例

1)生活必需品

  • 毎日使っているもの
  • よく着ている洋服
  • 頻繁に使っている趣味の道具 等

今後も必ず生活に必要となるものです。

2)貴重品

  • 現金
  • 通帳
  • 印鑑類
  • 株券などの有価証券
  • クレジットカード類
  • 宝飾品 等

カンタンに言えば資産価値のあるものですね。遺品整理の場合は、分配トラブルの元ともなるので厳重に管理を。また生前整理の場合、どこまでを親世代だけで自宅で管理するか、貸し金庫サービス等の利用等も考えてみると良いでしょう。

3)思い出の品・愛用品

  • 写真、アルバム
  • 記念品(賞状・トロフィー等)
  • 愛用品(メガネやライター等)

思い出の品はひとまず一括にして保管を。焦って全て捨ててしまうと、後から悔やむこともあります。

4)不用品

  • 何年も着ない服
  • 積んであるだけの書籍
  • 使わない家電、壊れた家電
  • 不要になった家具類
  • 乗らない自転車やバイク 等

生前整理の場合は、今後の高齢者同士の生活を考え、使わないと思われるものを不用品として処分することも大切。「何年放置していたか」を考えると、処分もしやすいですよ。

5)保留
子ども世代にとっては「不用品」に思えても、所有者である親にはすぐに処分の判断ができないことも。そんな時はモノを元に戻さず、「保留」の箱を作りましょう。

「保留」にしたものは、期限を決めて3ヶ月後等にもう一度判断を。その間に使うのを忘れているようであれば、やはり不要なのでは?と判断がしやすくなりますね。

6.リサイクルやリユースを検討

モノを大切にする親世代の中には、「まだ使えるものを捨てる」ということに強い抵抗感を示す場合があります。このような時は、リユース・リサイクルができるお店を探してみるのも良いでしょう。

【リユース・リサイクルの例】

  • 中古書店への売却
  • 中古着物買取
  • 中古CDショップへの売却
  • バイクや車の買取
  • 宝飾品買取
  • メルカリ等でネット販売 等

ただしリユースやリサイクルショップへの売却、ネットでの売却等にはそれなりの手間がかかります。手間賃を考えると赤字になってしまう…というパターンもあるので、特に遺品整理の場合にはその点も考慮しておくと良いでしょう。

7.生前整理・遺品整理専門業者の利用を検討

  • 片付け作業をする時間が取れない
  • 実家が遠くて頻繁に片付けに行けない
  • 実家の片付け期限が迫っている
  • ついつい片付けを先延ばしにしてしまう
  • 親子同士だと喧嘩になってしまいやすい

このような場合には、プロの生前整理・遺品整理専門業者に頼ることを検討してみても良いでしょう。第三者が作業にあたり、仕分けや片付けのサポートを行うことで、親世代も息子や娘に対してより冷静に判断が行えることも多いです。

プロの生前整理・遺品整理の専門業者であれば、片付けは最短1日、一戸建て全体でも2~3日程度で済ませることができます。近年では立会い不要で、鍵だけ預ければスタッフが作業をしてくれる業者も登場するようになりました。「親の入所が近い」「一刻も早く実家を片付けたい」という時にも頼れる存在です。

おわりに

実家の片付けに注意すべき理由やポイント、あなたのこれからの「生前整理・遺品整理のための片付け」のお役に立ちそうでしょうか?「部屋の片付け」というと誰もがカンタンにできそうですが、実際には多くの人が実家の片付けに苦しんでいます。

長く放置をして「大変なことになった…」という結果になる前に、まずは「できるだけ早く取り組む」ということが大切です。

 

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