ブログ

トラブルを避けるには?遺品整理業者の選び方

優良遺遺品整理業者のお見積り

故人がのこした家財や生活用品等を整理し、片付けるための専門業者が「遺品整理業者」です。実家が遠くて遺品整理が進められない、仕事が忙しくて家を片付けられない、重い家具を動かせない…そんなお悩みを解決してくれる存在ということで、近年では需要が急増しています。

しかし遺品整理業者の利用者数が増えるにつれて、遺品整理におけるトラブルが起きたという声も多く上がるようになってきました。単なる行き違いやミスではなく、中には悪質な遺品整理業者による詐欺まがいのトラブルも見受けられます。

遺品整理業者とのトラブルを避けるにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは遺品整理におけるトラブルの事例とともに、優良な遺品整理業者を選ぶためのポイントをご紹介していきます。

遺品整理業者のトラブル事例

全国の消費生活センター等に寄せられる遺品整理の相談件数は2013年度では70件前後でしたが、2016年にはほぼ2倍の114件にまで増加、さらにその後も右肩上がりで増えています。遺品整理業者とのトラブルにはどのようなものがあるのか、その事例を見ていきましょう。

契約したのに遺品整理作業が始まらない

「遺品整理業者とのトラブル」というと作業中・作業後の事例を予測される方が多いことでしょう。ところが実際には「作業に入る前」にトラブル発生というパターンも少なくありません。近年多いのが、見積もりの際に「早く契約した方が良い」と急かされたので契約したものの、いつまで待っても作業の連絡がこない、遺品整理作業が始まらないというトラブルです。

また「一週間後には作業できる」という回答だったため契約したものの、契約後に「スタッフの数が不足している」といった理由で作業の日延を繰り返されるといったトラブルも散見しています。

解約の場合のキャンセル料が高額

一度契約をしたものの、契約内容について不明な点が出てきたり、上で触れたような作業の曖昧な延期があり不信感が出てきた…このような場合、契約を解除(解約)したいと考える人は多いことでしょう。

ところが遺品整理業者とのトラブル事例では、解約を申し出たところ高額なキャンセル料を請求され、解約もできずに困っているというケースも多く見られます。

もちろん優良な遺品整理業者でも、当日キャンセル等であれば規定のキャンセル料は発生するものです。しかし悪質な遺品整理業者のキャンセル設定はそのような正確なルールに則ったものではありません。数日以前のキャンセルなのに通常作業の100%と同程度の金額を請求されたり、「契約解除料」として高額な費用が発生するといった不当な請求が行われているのです。

予定外の追加費用の発生

遺品整理の料金面でのトラブルでは「追加費用が不当に上乗せされる」という事例も多く見られています。

【優良な遺品整理業者の場合】
「タンスを遺品整理したい」と申し込む

料金はタンス1品+人権費+車両費で5,000円ですと見積もり

料金に納得して契約

当日の作業中に「やはりテーブルも処分してほしい」と客側が追加依頼する

テーブルが追加で全料金は6,500円ですと再見積もり

再見積もりに納得して再度契約

料金の支払い

優良な遺品整理業者であれば、追加の依頼があるごとに見積もりをし直し、ルールに則った費用請求を行います。また人件費や家電リサイクル料金等の明細も明瞭です。

【悪質な遺品整理業者の場合】
「タンスを遺品整理したい」と申し込む

「料金は3,000円でOKです」と格安料金で見積もり

契約

当日の遺品整理作業

遺品整理作業後「思ったよりタンスが大きくて人員が必要になった」といった理由で人件費が上乗せ、「処分が難しいタイプの家具だった」「思ったより状態が良くないため買取は不可」といった理由で追加料金が上乗せ

当初の見積りの2倍~3倍近い料金請求

悪質な遺品整理業者の場合、「追加人員」の費用が異常な高額に設定されていたり、「想定していたより荷物の量が多い」といった理由で作業後に追加料金を上乗せしてきます。事前に見積を取らず、後から高額な請求をされるため、多くの人が「払わなくてはならないのか」と戸惑ってしまうのです。

無断での遺品の買取・盗難

遺品整理業者の中には、価値ある遺品(まだ使える家財や家電等)の買取を行う業者もたくさんあります。これは優良な業者でも珍しいことではありません。買取した価格分を遺品整理の料金と相殺することで、遺品整理の料金を割引する業者もあります。

しかし悪質な遺品整理業者の場合、親族が「売っても良い」「処分して良い」と認可していない家財を勝手に買取したことにして持っていってしまうというトラブルが見受けられます。また「大切な遺品を盗難された」「貴重品を紛失された」という深刻なトラブルもあるのが現状です。

処分しない約束だった品物を捨てられる

一般的な遺品整理では、事前にご親族から「この品物は捨てないでほしい」と指定されたものはキチンと分別して選り分けておき、『愛用品』『貴重品』として親族にお渡しすることを取り決めています。

ところが悪質な遺品整理業者の場合、「とにかく部屋の中が空っぽになればいい」といった雑な対応で作業をしており、事前契約の際に指定された品物もまとめて処分されてしまうという事例が見られています。故人の愛用品や思い出の品、貴重品等は、一度処分されてしまうと取り返しがつきません。

遺品の不法投棄

近年では「作業中には問題がなかったが、後に遺品が不法投棄されていたことがわかった」というケースも多く見られるようになりました。優良な遺品整理業者は、家電リサイクル法等の法律にのっとり、処分すべき家財・家電はそれぞれ適正な方法で処分をします。

ところが悪質な遺品整理業者の場合、「そもそも自治体の認可を受けていない」ということが多いです。格安料金で遺品整理を行っていた業者が、実は引き取った遺品を山中等に不法投棄していたといった事例は珍しくありません。

トラブルなし!優良な遺品整理業者の選び方

遺品整理でのトラブルを避けるためには、優良な遺品整理業者を選ぶことが何よりも大切です。遺品整理業者選びのポイントを見ていきましょう。

事業所の許可・認可を確認する

まずはその遺品整理業者が「遺品整理業」として事業活動ができる認可を得ているのか確認しましょう。遺品整理業を行うには、以下の認可は必要です。

  • 古物商許可
  • 一般廃棄物収集運搬許可
  • 産業廃棄物収集運搬許可

また廃棄物収集運搬許可は、事業活動を行う各都道府県、市区町村での認可が必要となります。例えば「東京都」と「神奈川県」で遺品整理を行っているのであれば、それぞれの自治体の廃棄物収集運搬許可を取得する必要があるのです。

きちんと許可を得ている事業所の場合、企業公式サイトの会社案内等で必ずそれぞれの認可の旨とその番号が明記されています。

「公式サイトのどこを見ても古物商許可や廃棄物収集運搬許可の記載が無い」という事業所の場合、いわゆる「無認可」の可能性が高いです。トラブルを避けるためにも、このような遺品整理業者は選択肢から外した方が良いでしょう。

遺品整理士の在籍を確認する

「遺品整理士」とは、遺品整理を扱うための専門知識をもった有資格者のことを言います。民間資格ではありますが、法令に沿った廃棄物の処理方法、遺品の取り扱い、遺品整理に関する法律等について学び、試験をクリアした人だけが得られる専門資格です。

遺品整理に誠実に取り組んでいる業者であれば、遺品整理士の資格取得、有資格者の獲得には熱心であると考えられます。医療資格のように「必ず居ないといけない」というわけではありませんが、遺品整理士の在籍がその事業所のランクを示す指標となっているとも言えるでしょう。

見積もりの明細を確認する

現在では遺品整理の料金について、無料で見積もりを出してくれる業者が多いです。ただ曖昧な見積もりだけで業者選定をするのは避けた方が良いでしょう。

【見積もりの明細例】

  • 人件費
  • 車両費
  • 運搬費
  • 家電リサイクル料金
  • 遺品の配送がある場合、配送料
  • 処理代
  • リサイクル買取料金

上のような明細が明瞭に分けてあり、わかりやすく確認できる見積もりを出してくれる業者を選ぶと安心です。また明細区分に不明な点があったら、契約前に質問して確認をしておきましょう。

追加費用について確認する

見積書を出してもらったら、支払いまでに不要な追加費用が発生しないか再度確認を取りましょう。当日に作業の追加依頼をする場合、どのような料金システムになっているかを尋ねておくのもポイントです。

キャンセル・変更規定について確認する

突発的なアクシデントで、遺品整理の作業をキャンセルしたり延期するという可能性は誰にでも考えられます。遺品整理業者におけるキャンセルの規定、作業日程の変更の規定は事前に確認しておきましょう。

費用相場を確認する

遺品整理の料金は、荷物の大きさによっても変動はあります。とは言え、おおまかな相場についてはお部屋の広さ等で算出することが可能です。

【遺品整理の費用相場】

1R~1K 50,000円~80,000円
1DK~2K 90,000円~130,000円
1LDK~2DK 130,000円~170,000円
2LDK~3DK 170,000円~210,000円
3LDK~4DK 210,000円~250,000円
4LDK以上 250,000円~

遺品整理業者に見積もりを出してもらった時に、あまりにも相場から外れた高額な見積もりであれば避けた方が良いのは当然です。しかし反対に、相場の半額以下といった「激安」を謳う遺品整理業者の場合にも注意をしたほうがよいでしょう。

上の「トラブル事例」でも解説したように、法外に安い見積もりで顧客を引きつける悪徳な遺品整理業者の場合、後から様々な追加料金等を請求して価格を釣り上げる可能性が高くなります。費用相場から考えて、あまりにも安すぎる料金を提示して業者は避けた方が良いかもしれません。

相見積もり可?無料見積もりOK?

遺品整理の料金は、上でも述べたように「運ぶ荷物の量」等で変動します。そのため実際の料金については各社での見積もりを出してもらうのが一番です。

見積もりだけでも無料で行ってくれるか、訪問見積もりの場合でも無料か?といった点を事前に確認してから、見積もりを出してもらいましょう。少なくとも2~社程度には見積もり依頼をするのがおすすめです。

複数の見積もり依頼(相見積もり)をすることで、実際の料金相場がどの程度なのか把握できるだけでなく、その事業所のサービス対応はどうか、オプションサービスは充実しているかといった点が比較できるようになります。

見積もりの時点で強行に契約を迫ってきたり、「今なら安くなる」と法外な割引で相見積もりを避けようとする業者は避けるべきです。

書面での契約書を出してくれる?

遺品整理の現場では、事故による遺品の散逸、家屋の損傷といったトラブルが起きる事態も想定されます。万一のトラブルにおける損害賠償や免責事項の規定がきちんと定められているかは、見積書だけでなく「契約書」という形で確認を取れた方が安心です。

契約書の内容では、条項に不平等な点がないか、法的におかしい条項がはいっていないかという点を詳しく確認しておきましょう。

余裕を持った依頼・申込みを

遺品整理業者とのトラブルを避けるためには、まずじっくりと遺品業者の選定を行うことが大切です。葬儀後の慌ただしい時期ではありますが、選定にはできるだけ早く取り掛かり、余裕を持った依頼をすることを強くおすすめします。

おわりに

トラブルを避けるための遺品整理業者の選び方について解説しましたが、情報はお役に立ちそうでしょうか。「遺品整理業者」と一口に言っても、そこには大きな差が見られます。きちんと遺品を片付け、故人との思い出の整理の場に寄り添ってくれる業者を選ぶことが何よりも大切です。

提示される料金の安さや割引率等だけにとらわれず、「良質な業者」を選ぶことを意識しましょう。

 

PAGE TOP