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自分でやる遺品整理の方法は?準備やコツを解説

セルフ遺品整理

親や家族が亡くなった後には、故人が使っていた家具や日用品等といった多くの「遺品」がのこされます。それらを片付けるのが「遺品整理」です。

最近では遺品整理を専門の業者に依頼する人も増えていますが、「遺品整理は自分でやりたい」という方も居ることでしょう。でも遺品整理を納得がいく形で終えるには、いくつかのコツがあります。後から「遺品整理で失敗した」と後悔することの無いように、遺品整理の準備や流れを押さえておきましょう。

ここでは遺品整理を自分で行う場合の準備や方法、注意点等を詳しく解説していきます。

自分でやる遺品整理は「準備」が大切

スケジュール
遺品整理は当日に「やろうかな」と思い立って作業を始められるものではありません。自分でやる遺品整理に失敗しないためには、きちんと下準備をすることが大切です。

下見とスケジューリング

まずは遺品整理の全体的な工程を決めていきます。

下見で荷物量を確認

故人が一人暮らし等で部屋の中を見ていない場合には、一度は家の中を下見して、荷物の量をチェックしてみましょう。

チェックポイント 大型家具がどの程度あるか
荷物の量は平均より多いか少ないか
荷物は片付いているか散乱しているか

上のようなポイントはじっくりと確認を。大きな家具が多かったり、片付いていない部屋ほど、遺品整理の作業には時間がかかりやすくなります。

作業の日程を決める

遺品整理を自分で行う時に大切なのが、「いつまでに何を済ませるか」というスケジュールをきちんと立てるという点です。特に退去日等の締め切りが無い状態で適当に作業を始めると、いつまで経っても遺品整理がキチンと終わらない…といった結果になる恐れもあります。

スケジュールの日程の例 仕分けを行う日
搬出をする日(人手を集める日)
ゴミ出しをする日
供養を行う日
リサイクル先探しの締め切り日 等

大型家具や家電等の搬出を行う場合、複数人に集まってもらう必要があります。スケジュール調整は綿密に行いましょう。

周囲への連絡・確認

遺品整理の作業を自分で始める前に、周囲との連絡や確認作業も行っておきましょう。

他の親族への通知と確認

他の親族に遺品整理を行う旨を連絡し、了承してもらうことは大切です。独断で遺品整理をしたことで、あとから思わぬトラブルが生まれるケースもあります。

特に遺言書が無い場合や、遺産分配についての取り決めが定まっていない場合にはキチンと連絡をしておいた方が安心です。

管理会社への連絡・問い合わせ

故人が一人暮らしであった場合には、次のような点を不動産管理会社(または管理人)に問い合わせて確認しておきます。

部屋の退去日(賃貸契約の場合)
退去時の清掃について
マンションでのゴミ出しのルール 等

また大型家具等の搬出日が決まり次第、その日程も管理会社に連絡をしておきましょう。

近隣への挨拶

遺品整理の現場では引越作業と同じくらいに人の出入りがあります。専門の遺品整理業者であれば目立たないように静かに作業を進めていけますが、初めて作業を行う場合ですとにぎやかに音を立ててしまうケースが多いです。

事前に近隣に挨拶しておき、片付けを行うことや騒音について等をお詫びしておきましょう。

服装の準備

遺品整理の作業日には、次のような服装が必要となります。当日になってから慌てないように準備しましょう。

軍手

段ボール等を扱う時の必須アイテムです。

ゴム手袋

軍手の上から重ねてはめられる程度の大きさのゴム手袋があると便利です。

マスク

遺品整理の現場ではホコリが立ちます。マスクでホコリを防ぎましょう。

スリッポン靴

搬出作業時等には靴を脱いだり履いたりすることが多いです。スニーカー等は避けて、脱ぎ履きのしやすい靴を準備しておきましょう。

クロックス・スリッパ

お部屋の状態によっては、靴下で入ると危険なこともあります。万一の場合に備えてクロックス等を履けるようにしておくと安心です。

動きやすい服

立ったりしゃがんだりがしやすく、汚れても良い服を選びましょう。

作業用アイテムの準備

遺品整理を自分で行う場合は、作業用の道具も自分で用意する必要があります。どれも多量に使うので、価格が安い量販店等で事前に買い求めておきましょう。

ゴミ袋

可燃用・不燃用等の用途別に、自治体指定のものを準備します。45~60リットル前後のものが一人で運びやすい重さなのでおすすめです。

段ボール箱

単身者の引越の場合ですと、段ボール箱は平均10個~15個前後が必要になります。遺品整理の場合にも、同程度の段ボール箱は準備しておいた方が安心です。

クラフトテープ

紙テープでも布テープでもOK。複数人数で作業する場合には、人数分のテープがある方が良いです。

養生テープ

後で剥がすことを想定した家具等に使用します。

ビニール紐

雑紙・雑誌類等をまとめる際に使用します。

マジックペン

太字タイプのもので、黒・赤の2色程度があると遺品の分類の時に便利です。こちらも作業人数分用意しましょう。

カッター・ハサミ

刃幅が12.5mm以上の中型カッターを人数分準備しておくと作業がしやすくなります。

その他準備

自治体のゴミ処理方法の確認

ゴミの分別方法や処分方法は、自治体によってやり方が大きく違います。かならず事前に自治体ホームページ等でゴミ出しルールを確認しておきましょう。

【ステップ1】遺品の「仕分け」をする

さて、いよいよ遺品整理を自分で行う作業の当日です。とは言えノープランで処分を始めてしまうと、なかなか作業が進みません。まずは遺品を処理方法に合わせて分類していきましょう。

遺品の分類の仕方

遺品は大きく分けて5種類に分類していきます。

1)貴重品

保険関係の書類
通帳
契約書の控え
現金等

財産・資産に当たる貴重品は厳重に保管することが大切。その場での財産分与等は行わず、袋や箱等にわかりやすくひとまとめにしておきます。

2)思い出の品

アルバム
日記
愛用品 等

故人の思い出となる品々です。こちらもひとまず段ボール等にひとまとめにして保管します。

3)形見分け・譲渡するもの

アクセサリー
衣類の一部
書籍 等

形見分けすることが決まっているものや、家具等で譲渡先が決まっているものは分けて分類しておきます。高額製品で親族での分配が決まっていない場合は、1)の貴重品として分類してもOKです。

4)リサイクル・リユースできるもの

型が新しい家電
趣味のコレクション
貴金属品 等

引き取り手が居ないがまだ使えるもの、売ると価値が出るもの等は、リサイクル品として分類します。

5)不用品

食品系のゴミ
衣類
食器
タオル類
リネン類
その他寝具
不要な家具
型の古い家電
雑誌
古新聞 等

リサイクルできない品・譲渡先が無い遺品等はすべて不用品として処分することになります。可燃ごみ・不燃ごみ・資源ごみ・粗大ごみとして処理しますので、それぞれの種類に分別しておきます。

段ボールやゴミ袋には分類を書こう

すぐに運べる小物や衣類などは、段ボールやゴミ袋にどんどん入れていきます。段ボールや袋には、あらかじめマジックペンで分別種類をわかりやすいように書き入れておきましょう。

大型家具には養生テープ等で記載

ベッドや食器棚・椅子等の家具類は、養生テープやクラフトテープ等を貼った上からマジックペンで分類種別を書いておきます。マジックペンの色を赤・黒で分けておくと、処分品なのか保管するものかが一目でわかり便利です。

【ステップ2】不用品を処分する

遺品の中でも不要な品については、すみやかに処分を行います。

ごみ収集日に合わせてゴミ出しを

不燃ごみ・可燃ごみ・資源ごみとして処理できるものについては、区市町村の回収日に合わせてゴミ出しをして処分します。

なお自治体によっては、1回で出せるゴミの量に制限をかけている場合もあるので注意が必要です。ゴミの量が多くなりそうな場合は、あらかじめその自治体の清掃事務所等に相談しましょう。

粗大ごみは自治体に申込みを

粗大ごみの回収方法や料金の有無は、自治体によって異なります。自治体や時期によっては、回収申込みから引取まで2~3週間近くかかることも。粗大ごみの数や種別が決まったら、早めに申し込みをすることが大切です。

捨てられないゴミもあるので注意

次のようなリサイクル家電は粗大ごみとして捨てることができません。

リサイクル家電の例 冷蔵庫
エアコン
洗濯機
テレビ 等

また消化器や農薬・塗料・土等は、自治体によってゴミ出しできない場合があります。各自治体のゴミ処理課等で回収可能な事業所等を確認してみましょう。

【ステップ3】形見分けをする

故人の衣類の一部や小物類等について、親族・知人に希望者が居る場合には「形見分け」として遺品の譲渡をします。

形見分けは親族が集まった時がベスト

親族間等での形見分けは、原則として四十九日等の親族全員が集まった時が理想的です。全員が周知ができる場で形見分けをすることで、余計なトラブルを防ぐことができます。

なお神式の場合、四十九日にあたるのは五十日祭です。キリスト教の場合では、1ヶ月命日のミサで形見分けに近い行事が行われるケースが多く見られます。

無理な押しつけは厳禁

いくら「生前に口約束をしていたから」といっても、壊れてしまって使えなくなった品を故人のご友人等に押し付けるのは失礼にあたります。また贈られる人の好みに合っていない遺品を無理に押し付けるのはやめましょう。

また形見分けする品があまりに高額だと、受け取った側に贈与税が課せられてしまう場合があります。十分に注意してください。

【ステップ4】物品供養をする

リサイクルイズミの物品供養
故人の家にあった仏壇や位牌、故人がかわいがっていた人形やぬいぐるみ、お守り類…このようなものは引き取り手が無いけれど、「ゴミ」として捨ててしまうのには抵抗がありますね。

宗教関連の品やゴミとして捨てがたい品等については、神社仏閣での物品供養(遺品供養・物品ご供養)をすることをおすすめします。

物品供養できる品の例 仏壇
遺影
位牌
仏具
神棚
衣類
装飾品
愛用品
人形
食器類
コレクション類 等

菩提寺に物品供養を依頼する

もっとも身近なお寺である菩提寺・旦那寺で物品供養ができるかどうか確認をしてみましょう。寺院・神社によっては。法事等にあわせて物品供養を請け負ってくれる場合もあります。

ただし一般的な寺院・仏閣の場合には供養料が公開されていませんし、お寺によっては高額な供養料が必要となってしまう場合もあります。

物品供養を行う寺・神社に依頼する

物品供養の受付情報を公開している神社・仏閣もあります。菩提寺等に依頼ができない場合は、このような神社・仏閣を頼ってみるのも手です。

ただ神社・仏閣によっては、何十人分かの遺品をまとめて供養するタイプもあります。どのような供養をするのか、内容をよく確認することが大切です。

物品供養が依頼できる遺品整理業者も

近年では、遺品整理専門の業者の中にも物品供養を依頼できる業者が登場しています。業者と提携している僧侶がきちんと読経をあげてくれるので、神社仏閣での物品供養と変わりはありません。業者の場合ですと供養料が明瞭な上、気軽に依頼ができるのがメリットです。

【ステップ5】リサイクル・リユース先を探す

「親族や知人には引き取り手がなかったけれど、まだ使えるものだし捨てるのはもったいない…」そんな遺品については、リサイクルショップに売ったり、寄付をしてリユースしてもらうのも良い手です。

リサイクルショップ・中古買取業者

中古書籍専門店
古着屋
総合リサイクルショップ 等

遺品を高額で買い取りして欲しい場合には、遺品の種別に合わせた専門の中古買取業者を選んだ方が値が高くなりやすいです。例えばレコードを売るなら、中古レコード専門店を探した方が良いというわけですね。

貴金属品や毛皮等を取り扱う中古買取業者の中には、無料査定をしてくれるお店もあります。いくつかのお店で査定してもらって、買取価格を比較してみても良いでしょう。

ネットオークション・フリマアプリ

ヤフオク!
メルカリ
ラクマ 等

ネットオークションやフリマアプリは個人間の取引となるため、売る価格を自分で自由に決められるのがメリットです。反面、配送や連絡等の手間がかかりますし、手数料や送料等を考えた値付けをする必要もあります。時間に余裕がある人向けの方法です。

公共施設

図書館
自治体施設(公民館等)
学校

書籍や資料の種類によっては、教育施設等に寄付ができる場合もあります。ただし原則として自分で施設に持ち込みをすることになります。また寄付先での使用用途等は確認できないことがほとんどです。

自分で遺品整理できない時は業者に相談

リサイクルイズミ遺品整理チーム
「遺品整理を自分でやるのは思ったより難しそう」「片付けられるか不安」という時には、遺品整理専門の業者への依頼を視野に入れてみることをおすすめします。

ゴミ処理もリサイクルもまとめて片付く

リサイクルショップと提携している遺品整理業者であれば、不用品の処理だけでなくリサイクルできるものもまとめて引き取って貰えます。

ひとつひとつのリサイクル・リユース先を探す手間も要りませんし、粗大ごみの処理手続きをする必要もありません。

1日で片付くから退去日直前でも安心

遺品整理業者に依頼をすれば、遺品整理の片付けや簡易清掃は原則として一日で終ります。

賃貸契約等で退去日が迫っている場合でも、遺品整理業者ならすぐに片付けが終えられるので安心です。また「いつまでも遺品整理が終わらない」という悩みもスピーディに解決できます。

物置解体や庭木伐採等も依頼できる

遺品整理業者の中には、庭に置いた物置の解体や庭木の伐採等を依頼できる業者もあります。部屋の中だけでなく、家まるごとをキレイに整理することが可能です。

おわりに

遺品整理を自分で行うことには、「マイペースに作業ができる」「ひとつひとつ納得しながら進めていける」という利点もあります。

しかし一人の人間がのこす遺品の量は膨大なものです。自分ひとりですべての遺品整理作業を抱え込もうとすると、いつまでも遺品が片付けられなかったり、日常生活に支障が出る恐れもあります。

周囲の親族と協力して遺品整理のスケジュールを立てる、部分的にでも遺品整理業者への作業をまかせる等、負担を軽くする方法も検討してみてはいかがでしょうか。

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