故人がのこした遺品の中には、価値があり買取してもらえばお金になるもの、誰かにリユースしてもらえるものが意外とたくさんあります。また遺品整理の際に「捨てるよりも誰かに使ってもらいたい」と考えるご親族が増えたこと、「中古品でもOK」という消費者意識の変革等によって、遺品の買取やリサイクルの動きもここ数年でより活発になっている傾向です。
しかし初めて遺品を売りに出す時、そもそも何が価値があるものなのか、どうやって売れば良いのか等に迷ってしまう人は多いことでしょう。ここでは遺品を買取に出す場合の方法や高く売るコツ等を、5つのポイントにまとめて解説していきます。
目次
1.売れる遺品の種類とは?
故人の「遺品」とは、故人が使っていた家具や衣類・日用品等、故人所有のすべてのものを意味しています。例えば故人が着ていたTシャツも使っていたボールペンも「遺品」の一種になるわけです。
とは言えTシャツやボールペンは、よほどのコレクション的価値がなければリサイクル品として売れませんよね。では様々な遺品の中で「売れる遺品」には、どんなものがあるのでしょうか?
金・貴金属・宝石類
金
プラチナ
ネックレス
指輪
ブレスレット 等
金やプラチナ等の貴金属、ダイヤモンドやルビー・サファイヤ等の宝石類には、素材そのものに価値があります。
そのためデザインや古いもの、保存状態が良くないものであっても、素材さえ良ければ値段が付きやすいです。
反対にダイヤのカラット数等が小さい場合でも、有名ブランドの製品だったりデザインが流行のものであればその点が評価されることもあります。
家電
テレビ
HDDレコーダー
冷蔵庫
洗濯機 等
家電製品はまず動作確認をして、機能に問題が無いことを確かめておきましょう。また買取してもらえる家電は、基本的に型番・製造年式が新しいものです。
型番・製造年式は製品に貼られれているシール等からでも確認ができます。裏面・側面等に貼られていることも多いので、製品全体をチェックしてみましょう。
趣味のコレクション類
古銭
フィギュア
高級時計 等
コレクション類については、希少価値が高いものとそうでないものが混在していることも多いので注意が必要です。また同じ製品でも保存状態によって価値が大きく変わりますので、日光による日焼け・湿気によるカビの発生等が起きないよう、売るまでは保管状態に注意しましょう。
2.遺品を高く売るための準備
遺品を自分でネットオークション等で売る場合には、まず各製品を良い状態に整えることが大切です。また中古品買取ショップ等に持っていく場合にも、いくつかの準備をするかしないかで買取価格が変わってきます。
汚れやホコリを取っておく
特にネットオークションやフリマアプリ等で自分で遺品を売る場合、製品の「見た目」はとても大切です。どんなに希少価値の高い宝石類でも、ホコリにまみれていては高い値段では売れません。
汚れやホコリを取り除き、できるだけキレイな状態にしておきましょう。ただし間違った方法で掃除をすると、却って製品の傷を増やしたり、製品が壊れてしまう恐れがあります。各製品のケア方法を調べ、適切なメンテナンスをすることが大切です。
なおコレクション品については、ケア方法で一切の価値がなくなってしまうこともありますの。専門家の判断が出るまでは独自ケアをしないことをおすすめします。
外箱・パッケージを探す
指輪・ネックレス等の製品は購入時の専用ケースが無いかを探してみましょう。また小型の電化製品やコレクション品等の場合、外箱・パッケージが無いかを確認します。
外箱アリの状態になることで価値がアップすることも珍しくないので、確認の手間をかける価値はあります。
保証書・説明書を探す
型番が新しい電化製品等の場合、メーカーやショップの保証期間内であれば保証書付きのほうが買取価格は上がります。ダイヤモンド等の宝石類も製品によってはショップの保証書が付きますので探してみましょう。
また電化製品・コレクション類等は説明書も添付できたほうが理想的。説明書を製品とは別にまとめて保管している方も多いので、遺品整理の際によく確認しておくことが大切です。
3.フリマやオークション売却の注意点
自分で遺品の売却整理を行う手段というと、かつてはフリーマーケット等を利用する人も多かった様子。しかし近年では、ネットのオークションやフリマアプリ等を活用する人が主流です。
ただフリマアプリやネットオークションを使った遺品の売却の場合、次のような点には十分に注意しましょう。
手続きは「一品ごと」が基本
フリマアプリやネットオークションの場合、基本的に「セット販売」「まとめて販売」はあまり好まれません。一品ずつに登録の手続きをし、購入希望者とのやりとりをする必要があります。
シリーズ製品等の場合には「セット販売」ができる場合もありますが、一品あたりの価格は単体よりも安めに設定しないと売れにくいです。遺品を高く売却して欲しい場合には、一品ごとに出品とした方が良いでしょう。
梱包や送付の手間がかかる
フリマアプリやネットオークションの場合には、購入者への送付の際に自分で製品を梱包しないといけません。次のような梱包材を自分で購入し、ひとつひとつ品物を梱包する手間がかかります。
大型封筒
緩衝材
クラフトテープ
セロハンテープ 等
簡易包装でOKの場合もありますが、極端に雑な梱包にするのはおすすめしません。購入者から付けられる取引後の評価が下がり、その他の遺品の売却がうまくいかなくなる可能性もあります。
また精密機器や傷つきやすい製品の場合、梱包がしっかりしていないと輸送の際の破損等が起き、思わぬトラブルとなることも。例えばCDやDVD等でも、ケースは意外と傷が付きやすいもの。緩衝材ロール(エアキャップ・プチプチシート)等を適宜使うことが大切です。
購入者との連絡はこまめに
オークションやフリマアプリでの取引をスムーズに終えるには、購入者との連絡をこまめに、ていねいに行うことが重要になります。
購入者にとって、「お金を払ったのになかなか品物が届かない」というのは不安なものです。進捗状況の報告が遅くなると、取引評価が下がってしまいます。
製品情報はしっかり確認を
自分で遺品を売却する時に気をつけたいのが、製品についての正確な情報を購入者に知らせるという点です。例えばアクセサリー類で「K10」のものを「K18」として販売すれば、それは詐欺罪に当たります。
購入者とのトラブルを引き起こすだけでなく、最悪の場合には警察レベルのトラブルや刑事訴訟となる恐れも。「よくわからないから」と適当な情報を記載するのは厳禁です。
手数料でソンをするかも?
ネットオークションやフリマアプリでは、サービス利用料や手数料が発生します。例えばフリマサービス『メルカリ』では、出品した品が売れたら、出品価格の10%が手数料として売上金から引かれる形です。
遺品が1,000円で売れても、手数料100円が引かれるので売上は実質900円。さらにオークションやアプリに付随する輸送サービス(メルカリ便等)を使えば、売上から送料も引かれます。
「早く遺品を売ってしまいたいから」と安い価格設定にしすぎて、手数料や送料でほとんど売上が出なかった…こんなケースも珍しくありません。
4.中古買取業者に遺品を売る時の注意点
購入者と直接売買をするのではなく、中古品の買取業者に遺品を売却するという手もあります。ただ遺品を高く買取してほしい場合には、買取する店舗選びに注意が必要です。
高額買取を狙うなら各専門の業者を
「遺品をなるべく高額で買取してほしい!」と考えるのであれば、遺品の種類にあわせた専門の買取業者を探した方が良いでしょう。
宝石類であれば宝石・貴金属専門の中古買取業者、ブランド品であればアパレル系の中古買取ショップ…といった具合です。専門的な中古買取業者になるほど、鑑定士や専門知識のあるスタッフが在籍するため、製品の価値を正確に見積もってもらいやすくなります。
特に「一般的にはマイナーだが、業界内ではファンが多く購入希望者が付く」といった遺品を高く売りたい場合には、希少価値のわかるショップに持ち込むことをおすすめします。
業者の「得意分野」を確認
同じ種類の製品を取り扱う買取業者でも、店舗によって得意分野が違うというケースは多いです。
例えば「古書(古本)」業界の場合、ブックオフのような新古書店では発売日が新しいコミックやDVD等は高く売れますが、基本的に古い商品には価値が無いと判断されます。あまり古すぎたり、製品が傷んでいると買取拒否となることも珍しくありません。
反対に専門的な古書店の場合、何十年前もの古書でも希少価値が認められれば高額買取ですが、新しい書籍類は買取NGということも。遺品を高く売却したい場合には、その店舗がどの分野を多く取り扱っているか、何が得意なのかを調べることも大切なのです。
何社かへの査定で比較を
貴金属品等の高額商品の場合、「査定のみ」でもOKとしている中古買取業者もあります。複数の業者で買取査定をしてもらい、買取価格の比較をするのも手です。
買取方式によって手数料がかかることも
中古買取業者によっては、次のような買取時に手数料・サービス料が発生することもあります。
回収料金:無料回収サービスが無い場合
査定料:無料査定サービスが無い場合
送料:宅配型買取サービスの場合
振込手数料:買取金額を指定口座に振込してもらう場合 等
例えばお店に自分で品物を持ち込めば手数料が発生しなくても、家にまで取りに来て貰う場合は手数料を引かれてしまう…といったことも。業者によってサービス手数料の発生有無は違いますので、事前に公式サイト等でよく確認をしておくことが大切です。
5.一気にスッキリ!「遺品整理業者」に依頼するメリット
自分で遺品を売る場合や買取業者に持ち込みする場合には、上記のように意外と手間や時間がかかってしまいがち。そのため最近では、遺品整理業者にまとめて買取やリサイクルを依頼する人も増えています。
遺品整理業者に依頼をするメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
不用品処理と買取・リサイクル依頼がまとめてできる
「遺品」とは上でも説明したとおり、故人が所有していたものの全てを意味する言葉です。遺品の中には売ったりリサイクルできるものだけでなく、処分しなくてはならない不用品もたくさんあります。
使わない大きな家具や古い家電等、かさばる遺品の処分に困っているという人も多いのではないでしょうか。
遺品整理業者に依頼をすれば、価値ある遺品の買取やリサイクル手続きだけでなく、不用品の搬出やゴミ処理等もまとめて行って貰えます。
原則一日で遺品整理が終えられる
遺品整理業者に依頼をした場合、遺品の買取・リサイクル等の手続きや不用品処分等は原則として一日で終ります。
仕事や家事が忙しくて遺品買取等に携わる時間が無い、遺品整理をできるだけスピーディに終えたいといったときにも便利です。
処分費用が抑えられるケースも
遺品整理業者の中には、リサイクル・リユース可能な製品の買取価格分として、不用品・粗大ゴミ処理等にかかる費用を安く抑えてくれる業者もあります。
【悪質業者には要注意!】
スムーズに遺品の買取やリサイクル手続きが終えられるのが魅力の「遺品整理業者」ですが、中には悪質な業者も居るので注意が必要です。
故人が亡くなったという情報を聞きつけ、訪問勧誘や電話勧誘をしてくるような遺品整理業者・中古品買取業者等には特に注意しましょう。また「処分料完全無料」等、法外な安さをウリ文句にする業者も避けた方が無難です。
営業許可・認可を受けているか
遺品整理の実績があるか
上記のような点を公式サイト等でチェックし、安心して利用できる遺品整理業者を選びましょう。
おわりに
遺品を買取に出す方法や高く売るコツはいかがでしたか?遺品を高く売る最後のコツとしては「手続きを早めに」という点が挙げられるかもしれません。例えば電化製品やパソコン等は、時間が経つ毎にどんどん「型式が古い製品」になっていきます。
「売ろうかな」「手放そうかな」と思った時が、遺品を高く売る最高のタイミングと言えるのではないでしょうか。