亡くなった親や家族・親族がのこした遺品を片付ける「遺品整理」。片付けをしながら、まだ使えそうな遺品を捨ててしまうのはしのびない…と感じている人は多いのではないでしょうか。
遺品の種類や状態等によっては、遺品の買取をしてもらえることもあります。せっかく遺品を整理するのであれば、高価買取をしてもらえた方がありがたいですよね。
同じ遺品でも、いくつかのポイントに気をつけることで買取額は変わってきます。遺品整理で高価買取されるためのポイントを知っておきましょう。
高価買取になる遺品の種類を知ろう
遺品整理で高価買取されるには、まず「どんな種類の遺品が高値での買取になりやすいか」を知っておくことが大切です。後述するメンテナンスや付属品の探索等も、高価買取になりやすい遺品類から優先的に行うようにすると効率的ですよ。
金(ゴールド)
金のインゴット(延べ棒)
地金
金コイン
金小判
金入れ歯 等
安定した価値が見込まれる金(ゴールド)は、高価買取されやすい遺品の代表的な存在です。金ののべ棒タイプのもの(インゴット)が有名ですが、金でできたコイン(金貨タイプ)のもの等もあります。
多量の金はマイナンバー提出が必要
金の買取では、2011年6月に成立した改正税法(金地金等の譲渡の対価の支払調書制度)によって、対価200万円以上の金・地金の譲渡の場合には個人番号カードの提出が求められることが決まっています。
金の量によってはマイナンバーカードが必要となることもありますので、早めに準備をしておくと良いでしょう。
貴金属・宝飾品
ダイヤモンド
ルビー
エメラルド
真珠
指輪(結婚指輪・婚約指輪等も含む)
ネックレス
ペンダント
イヤリング
ブレスレット 等
ダイヤ=高価買取ではない?
高い宝石というと「ダイヤモンド」ばかりを想像してしまう…という人も多いですが、実はダイヤはある程度の大きさ(カラット数)が無いと高価買取になりにくいです。
反対にサファイヤやエメラルド・トパーズ等の宝石や貴石の類でカラット数の大きいもの、色味が美しいもの等の方が高価買取となることもあります。
遺品整理で高価買取を狙うなら、素人判断はNG。遺品の宝飾品が複数ある場合、その全体を鑑定してもらった方が高価買取に結びつきやすいですよ。
ブランド品なら高価買取も
「小さなダイヤモンドのペンダントだから、高額買取は難しいかも…」その指輪、ブランド品ではありませんか?宝石・ジュエリーとしての価値はいまひとつという品物でも、人気ブランドの製品の場合にはリユース需要が高いため、高額買取に結びつきやすいです。
ただしブランド品の場合、後述する付属品や証拠品の提出も重要になります。その点には注意しましょう。
家電製品
テレビ
ブルーレイレコーダー
外付けHDDレコーダー
パソコン
冷蔵庫
洗濯機
炊飯器
ドライヤー
電気ポット
空気清浄機
加湿器
扇風機
暖房器具
ホームベーカリー 等
製造年・型式が新しいことが大切
家電製品を遺品整理で高価買取に結びつける場合には、まず家電の型式や製造年をチェックしてみましょう。買取OKとなる家電は、原則として製造から3年以内のものです。また新しい型式のものほど、高価買取となる確率が上がります。
反対に製造から5~10年以上が経過している家電製品、古いモデルの製品は買取そのものが難しいケースがほとんど。家電のサイズや種類によっては処分するための料金がかかります。
コレクション品
アンティークのコイン
古銭
ブランド品
高級時計 等
故人が趣味で集めていた遺品のコレクション品も、種類によっては高価買取となることがあります。ただしコレクション類は購入するユーザー側の保管状態に対する指定が特に厳しいので、人気製品でも良い状態でないと高額買取にならないことも。
また需要がある製品と無い製品の差が激しいのもコレクション品の特徴です。Aという製品に数万円以上の取引価値があっても、似たように見えるB製品は10円にしかならない……といったケースが珍しくありません。
証明書・保証書を探そう
遺品整理で出てきた品物を高価買取してもらうには、その製品の品質やサポートを保証できる書類があることも大切です。
家電類は保証書が重要
家電類は、保証書(説明書)の有無で買取額がかなり変わります。保証書とは、製品に不備があった場合、メーカーが修理または取替をする対応が記載されている文書のことです。
製造一年以内の製品で保証書があれば、メーカーでの無償修理等の保証が受けられることがほとんど。また一年以上経過していても、保証書があれば正規のサポートを受けられます。
家電類の「保証書」は、「取り扱い説明書」の最終ページに記載されているのが一般的。説明書類は製品とは別に取りまとめている方が多いので、遺品整理の際には説明書の所在もよく探しましょう。
保証書に購入店印はある?
家電製品等の保証書は、購入店印(家電を買ったお店のハンコ)が押されていないと保証書として成立しません。保証書を見つけた際には、購入店印が入っているかどうかもよくチェックしておきましょう。
購入店印の替りに領収書・レシートを
保証書に購入店印が無い場合には、製品を購入した際の領収書やレシートが購入点印の替りになります。保証書類と一緒にまとめて保管している人もいますが、レシートはレシートで別保管しているケースも多いです。
遺品整理で高価買取を目指すためにも、領収書類・レシート類が残されていないか、遺品整理の際によく確認しておきましょう。
宝石類も証明書ありが理想的
金のインゴットや地金の場合は刻印が証書となるため、購入証明書等は無いことがほとんど。しかし宝石類や宝飾品の場合には、店舗・ブランドによる保証書が購入時に付いてきます。
購入店舗・ブランドを証明するものとなるので、証明書はあった方が理想的です。家電品等に比べると証明書が小さいので、ていねいに探しましょう。
付属品でさらに高価買取も
製品には説明書や保証書以外に、様々な付属品があるものです。遺品整理の際に付属品も探し出してまとめておけば、遺品整理の高額買取に結びつきます。
部品や外付け品を探す
ACアダプター
電源ケーブル
取替型の部品
壁取り付け用の金具
ジュエリーの替えのチェーン 等
特に家電類の場合、製品には様々な部品が付いてくることがあります。普段の利用中には使わないため、別の場所にしまいこんである…ということも。
説明書の部品説明に記載されているすべてのパーツが揃っている方が、遺品整理の際の高価買取が期待できます。
消耗品を探す
インクカートリッジ
プリント用紙
取替用のフィルター 等
インクカートリッジやフィルター類等の消耗品はまとめ買いをした方が安いため、たくさん買って保管しているという人が多いです。買取に出す家電類や機器類に付随する消耗品も探して一緒にまとめておけば、あわせて買取してもらえる確率も上がります。
ケースや外箱を探す
購入時のジュエリーケース(ブランド印字のもの)
ブランドバッグの保管用袋(ブランドネーム入りのもの)
ブランドの外袋
ゲーム類・玩具類等の外箱
家電製品類の外箱
ブランド品等の場合、購入時のケースや保管用の袋等の付随品があると中古品の買取額が上がりやすくなります。遺品整理で高価買取を目指すのであれば、探しておきたいところです。
またコレクション品のフィギュア等の製品の場合も、外箱や外装がある状態の方が買取価格が上がります。貴重な書籍の帯や、レアなCDの帯等についても同様です。
故人が趣味のコレクションを集めていた場合、外箱・外装は製品とは別に保管していることも多いもの。メインとなる製品の保管所以外の場所も、しっかりチェックしておきましょう。
抜けが無いかを確認する
遺品等の中古製品の買取では、シリーズ品がすべて揃っているかどうかで買取額が変わることもあります。
コレクション品はコンプリートが重要
例えば書籍や中古漫画等の場合、「全巻揃え」であればまとめての買取額となり、高価買取となることも。反対に一冊でも抜けがあると「バラでの買取」という扱いになるため、不人気な製品や在庫がある製品は買取額が下がったり、買取不可となってしまうこともあります。
ケースの中身もしっかり確認
DVDディスクやフィギュア等のコレクション品でも、コンプリートをしているかどうかは重要です。製品の通し番号等に抜けが無いかを確認しておきましょう。
DVDやCD等の場合、外からケースだけを見て判断していたら、買取時に中身(ディスク)が入っていなかった…といったトラブルも珍しくありません。ディスクやブックレット等がきちんと入っているかどうかもしっかり確認しておきましょう。
古い製品が買取してもらえることも
コンプリートされているコレクション品であれば、多少古い製品であったり、難有りの製品でも買取して貰えることもあります。「本の一冊だけ別の部屋に保管されていた」というケースも珍しくありませんので、シリーズをコンプリートした状態にするように、お家全体をよく探索することが大切です。
動作確認をしておく
特に家電製品の場合、遺品がきちんと動く製品かどうかを試しておきたいところです。
基本性能をチェック
すべての性能を動作確認するのは難しいかもしれませんが、ひとまず電源が入るかどうか、その他の機器との接続が問題なくできるかどうか等の基本性能は確認しておきましょう。
電源確認もしていない場合だと「完動品ではない」という扱いになってしまうことがあります。
トレイやスロットも確認
ブルーレイレコーダー
パソコン
オーディオ機器
デジタルカメラ
ポータブルオーディオプレーヤー
スマートフォン 等
上記のような製品の場合、トレイの中にCDやDVD・Blu-ray ディスク等が入れっぱなしになっていることも。前述した「コレクション品がコンプリートされない理由」が、このような「トレイからの出し忘れ」ということもあります。
またパソコンやデジタルカメラ、スマートフォン等の場合、SDカードやminiSDがスロットに入りっぱなしになっていることも。大切な思い出の品ですから、動作確認が済んだらカード類は抜いておきましょう。
デジタル機器はデータ削除を忘れずに
買取価格と連動するものではありませんが、スマホやパソコン等のデジタル機器類はデータの削除を忘れずに行っておきましょう。
故人のプライバシー保護やセキュリティ対策のためにも、データ削除は大切な作業です。
査定を依頼してみよう
査定(さてい)とは、遺品等の製品を専門家が実際に見てランクや状態を確認し、金額等を決めることを意味します。遺品整理で高価買取を目指すなら、「査定」のシステムはぜひ使っておきたいところです。
複数査定で比較をするのも手
最近の中古品買取業者や遺品整理業者の中には「査定や見積もりは無料」というところも多くなっています。つまり査定だけを依頼して、実際に買取を利用するかは金額を聞いてから考える…ということもできるわけです。
複数の業者に査定や見積もりを依頼して、提示される金額を比較してみるのも手。故人の遺品の業界での価値がどの程度になるのかをスムーズに調べることができます。
遺品整理代金と相殺できる業者も
上の「高価買取になる遺品の種類」を読んで、高価買取になる遺品の種類が意外と限られていることに驚かれた方も多いかもしれませんね。遺品はその全てが売れるわけではありません。古い家電や家具等は中古品買取が難しいですし、それぞれを自治体のゴミとして捨てるにはごみ処理代金も必要になります。自分たちだけで遺品整理をしようとすると手間も人手も必要です。
最近ではこのような手間をグッとラクにする「部屋丸ごと」「家丸ごと」等の遺品整理を請負う遺品整理専門の業者も増えています。また買取可能な遺品の買取価格を、遺品整理の代金と相殺してくれる業者も登場しました。
つまり買取可能な遺品の分で、遺品整理料金が安くなるというわけです。家全体・部屋全体の遺品整理が一日で済んで、代金はリーズナブルに抑えられる…相殺タイプの遺品整理業者には、このような魅力もあります。
整理する遺品の量が多い
遺品整理をするのが面倒
高価買取してほしいけど手間をかけたくない
早く遺品整理を終わらせたい
上のような場合には、遺品の買取価格を代金と相殺してくれるタイプの遺品整理業者を選ぶと、単なる「高価買取」よりもメリットが多い可能性が高いですよ。
おわりに
遺品整理で高価買取を狙うためのポイントをまとめれば、「いかに購入時の状態に近づけるか」という点が重要となることがわかります。所有者であった故人の居ない今、事情がわからない親族だけで遺品の状態を正確に把握するのは難しいところですが、ていねいな探索を心がければ高価買取につながることでしょう。
また遺品整理のプロである「遺品整理士」等の力を借りてみるのも良い手です。有資格者である遺品整理士が在籍する業者を選べば、スムーズかつ効率的に遺品整理を進めていくことができますよ。