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穴あけ不要?スプレー缶の捨て方・処分方法【完全版】

スプレー缶

ヘアスプレーや消臭スプレー、スプレータイプのペンキ等、私達の日々の生活には様々なスプレー缶がありますよね。普段は便利に使っているこれらのスプレー缶ですが、正しい中身の処分方法や捨て方をご存知ですか?

2018年に起きた札幌不動産仲介店舗ガス爆発事故以来、各自治体ではスプレー缶の捨て方・処分方法等についての規定を従来より厳しく定めるようになりました。ご家庭でも万一の爆発といった事故を防ぐため、スプレー缶の適切な処分方法を知っておくことが大切です。

ここではスプレー缶の中身の処分方法やゴミとしての捨て方、またゴミ屋敷や遺品整理で大量のスプレー缶を処分したい場合の方法等を解説していきます。

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スプレー缶の中身の処分方法

スプレー缶の中身の処分
まずはスプレー缶の中身の処分方法について見ていきましょう。スプレー缶は「中身をすべて使って(出して)から捨てる」というのが原則です。

中身が残ったままでスプレー缶を捨てると、最悪の場合には回収車や施設での爆発事故等が起こる恐れがあります。

「明らかに使用途中のスプレー缶」はもちろんですが、「使い切った!」と思っている場合でもスプレー缶の中にはガス等が残留しています。きちんと中身を使い切ってから捨てることを習慣づけましょう。

1.使い残しは空中放出または紙で吸収

使い残しの程度についてですが、スプレー缶を降ってみて「カラカラ」と音がする場合、まだ中身のガスがたっぷり残っている状態です。この場合、まずは穴あけ等ではなく以下のいずれかの方法で中身を使いきります。

a.空中に散布する

消臭スプレー・ヘアスプレー等が少量残ったという場合には、屋外(ベランダ、庭等)で空中に向かってスプレー缶をスプレーして、中身をすべて使い切ります。

作業は必ず屋外で行うこと。またできれば天気が良く乾燥していて、空気がベランダ等に留まりにくい日を選ぶことをおすすめします。

b.紙類に吸わせる

スプレータイプのペンキ等、空中に散布することが難しいスプレー缶の場合には、新聞紙やトイレットペーパー・ティッシュ等の紙に中身を吸収させます。

  1. 大きなゴミ袋に新聞紙を入れる
  2. スプレー缶の中身をスプレーする
  3. そのまま放置して、ガスがすべて袋の外に出るまで待つ

※作業はすべて屋外で行います。「換気をしていても、室内で作業してはいけません。
※スプレー後、すぐに袋を閉じないこと。ガスがゴミ袋の中に溜まってしまい、引火・爆発をする恐れがあります。

2.ガス抜きキャップ(中身排出機構)を使用

スプレー缶のノズルを押しても、中身がほとんど出てこなくなった……こうなっても、缶の中には微量のガスが残っています。

最近では、残留ガスをカンタンに排出できる「ガス抜きキャップ(中身排出機構)」を装備したスプレー製品も出回るようになりました。ガス抜きキャップがある製品では、製品パッケージに描かれている使用説明書どおりに、キャップを使って残留ガスを排出しましょう。

キャップ天面型
  1. 屋外で新聞紙等を敷いて作業を始めます。
  2. スプレー缶の外側のキャップを外します。
  3. スプレー缶のノズルのボタンを外します。
  4. キャップの天面(上側)を上にして、新聞紙の上に置きます。
  5. スプレー缶を逆さまにして、キャップの凹みの部分にノズルを押し込みます。ギュッと押し込むと、スプレー缶の中身が排出されます。音がしなくなるまでしっかり排出させましょう。
つまようじ使用型
  1. 屋外で新聞紙等を敷いて作業を始めます。
  2. つまようじを用意します。
  3. 噴射レバーを引いた状態で、側面の穴につまようじを差し込みます。
  4. レバーがロックされた状態になり、スプレー缶の中身が排出されます。つまようじを差し込んだままの状態で処分してOKです。
コイン使用型
  1. ボタン上部にガイドがあれば、そこにコイン(硬貨、10円玉等)を差し込みます。
  2. ノズルのボタンがロックされ、残留ガスが排出されます。
  3. ガスの排出音がしなくなるまで、しっかりと中身を排出させます。

※スプレー製品によっては、上記以外の残留ガス排出機構が導入されていることもあります。詳細については、製品パッケージの使用説明書またはメーカーのホームページをご確認ください。

3.スプレー缶の穴あけは必要?不要?

さらに残ったスプレー缶の残留ガスを完全に排出するには、スプレー缶の穴あけ作業が必要になります。しかしスプレー缶の穴あけをするかどうかは、自治体(市区町村)によって指示が異なります。

東京都千代田区  穴あけは禁止。できるだけ中身を使い切ってから処分する。

栃木県高根沢町  穴あけは必要。専用の穴あけ器具を使う規定。

ですから千代田区にお住まいの場合には「穴あけをせずに、中身を使い切ってから捨ててOK」となりますが、高根沢町の場合には「穴あけをしないといけない」ということになります。お住まいの地域で「スプレー缶の穴あけ」が必要かどうかは、市区町村のホームページで確認しましょう。

スプレー缶の穴あけ器

ゴミ捨ての際にスプレー缶の穴あけが必要な場合には、次のような穴あけ専用の器具を使用します。

カンヌキ・缶切りタイプの穴あけ器
缶切りのような形をしたスプレー缶の穴あけ器は、コンパクトで場所を取らないのがメリット。スプレー缶を処分する頻度が少ない人や、ヘアスプレー缶等の比較的扱いやすい缶を処分したい場合に便利です。

ただし女性等の手の力が弱い人の場合、なかなかうまく穴あけができないことも。また多量のスプレー缶の処分には不向きです。

ガス抜きパンチ・ハサミタイプの穴あけ器
スプレー缶を挟み込んで、ギュッと挟むだけで缶に穴があくお手軽な穴あけ器。最近ではダイソー・Can Do等、100円均一ショップでもこの手のスプレー缶穴あけ器が登場しています。

ガス抜きパンチはハサミのように握りやすく、軽い力で穴が開けられるのがポイント。とは言え、数十本といった大量のスプレー缶の処分をするとなると少々疲れます。

足踏みタイプ
足踏みタイプは、スプレー缶を設置してから、脚で踏んで穴をあけるタイプの穴あけ器です。自分の体重を使って穴をあけるため、力がほとんど必要ないのがメリット。女性が軽々スプレー缶を処分したい場合や、大量のスプレー缶を処理したい時におすすめです。

器具の大きさは3種類の中でもっとも大きくなりますが、オフィスや店舗等であれば足踏みタイプが最も向いていると言えるでしょう。

スプレー缶の穴あけにキリは厳禁!

「スプレー缶の穴あけ器を買うのがもったいないから……」と、キリ等の大工用具を使ってスプレー缶に穴を開けようとしていませんか?これは絶対にいけません!

スプレー缶の専用穴あけ器を使わなかったためにケガをしたり、事故になったりするケースが近年増えています。企業や自治体もキリの使用は厳禁としています。キリ等でスプレー缶に穴を開けようとしてケガをしても、最悪の場合「メーカーや自治体の指導に従っていない」として、保険金額等が下がってしまう恐れも考えられるのです。

上でも紹介しましたが、現在ではスプレー缶穴あけ器は100円~600円前後で購入できるようになっています。万一の事故やケガ等を防ぐためにも、必ず専用の器具で穴あけを行いましょう。

スプレー缶作業は絶対に外で行おう!

残った中身を捨てる場合も、ガス抜きキャップや穴あけ器を使う場合も、スプレー缶を処分する作業をする時には必ず「ベランダ」「庭」等の「外」で作業をしましょう。次のような場所ではスプレー缶の処分作業をしてはいけません。

× 窓を開けた室内
× ドアを開けたオフィス
× 店舗の中(キッチンや事務所等)

スプレー缶は火事・爆発の原因になる

スプレー缶に含まれるLPガス等の残留ガスは、可燃性・引火性が高いという特徴を持っています。例えば「スプレーをしている時にライターを使った」「スプレー処理中に湯沸かし器を使った」というだけで、ガスに引火して炎が上がりヤケドをしたり、火事になったりする恐れがあるのです。

たとえ窓やドアを開けていても、換気に気をつけていても、室内でスプレー缶の処理作業をすると爆発事故や火事が起こる可能性があります。室内では絶対にスプレー関連の作業をしないでください。

スプレー缶の捨て方

中身を空っぽにしたスプレー缶は、どのように捨てればよいのでしょうか?スプレー缶の捨て方は、住んでいる市区町村によって違ってきます。

【例1】東京都港区:「スプレー缶」と書いて「不燃ごみ」

東京都港区ではスプレー缶は「不燃ごみ」の扱いになります。缶に穴を開けてはいけません。ゴミ袋の指定は特にありませんが、次の点に注意しましょう。

  • その他の不燃ごみとは分ける
  • 「スプレー缶」「キケン」等と書いておく

ちなみに東京都港区の不燃ごみの回収は月に2回です。ふだんのゴミ回収場所に回収日当日指定時間までに捨てておけば、無料で回収して貰えます。

https://www.city.minato.tokyo.jp/gomigenryou/kurashi/gomi/kate/k-wakekata/chui.html

【例2】東京都文京区:「透明の袋」に入れて「資源ごみ」

東京都文京区では、使い切ったスプレー缶は「資源ごみ」の扱いになります。透明の袋に入れてから、週1回ある資源ごみ回収日に「飲料・食用の缶」と同じ青いコンテナにスプレー缶を出します。

なお薬剤等で中身を使い切ることが難しい場合は、スプレー缶が「不燃ごみ」の扱いとなるので注意しましょう。不燃ごみの回収日(月2回)に透明なビニール袋に入れて、「キケン」と書いた上でゴミ出しします。

https://www.city.bunkyo.lg.jp/tetsuzuki/recycling/kateigomisigen/kiken.html

【例3】神奈川県横浜市:「透明または半透明の袋」で「可燃ごみの日」

神奈川県横浜市では、スプレー缶の回収は可燃ごみの日(週2回)で行っています。ただし燃やすごみとは扱いが別なので気をつけましょう。

その他のゴミとは別にして、スプレー缶を透明または半透明の「中身がハッキリわかる袋」に入れてからゴミ出しします。中身はすべて使い切りますが、穴あけは不要です。

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/gomi/shushu/das10.html

地域のスプレー缶の捨て方の調べ方

スプレー缶の捨て方は、上で紹介したように市区町村で大きく違います。「自分の住んでいる場所」のスプレー缶の捨て方を必ず確認しましょう。

【調べ方の例】

  • 「市区町村の名前 スプレー缶」でGoogle検索
  • 「市区町村のホームページ」→「住まい・暮らし」→「ごみ・リサイクル」→「ごみと資源の分け方・出し方」

市区町村のホームページではスプレー缶の捨て方がよくわからなかった…という場合には、お住まいの市区町村の役所またはゴミ回収センター等に問い合わせてみましょう。

大量のスプレー缶を処分するには?

ゴミ屋敷や遺品整理、オフィスの移転等で一気に大量のスプレー缶を処分しなくてはならなくなった……このような場合には、どうしたら良いのでしょうか。

市区町村に相談する

「自分で回収場所に持っていける」「穴あけ等の作業は自分たちできる!」という場合には、自治体(市区町村)に一度相談をしてみましょう。自治体によっては、ゴミ処理センターでの受付をする等、適切な処理方法を案内してくれることもあります。

不用品回収・遺品整理業者に依頼する

  • スプレー缶を処理する時間が無い
  • 処理をする手間を省きたい
  • スプレー缶以外もまとめて不用品を処分したい
  • 片付け先が遠方で処分方法がわからない

上記のような場合には、遺品整理業者や不用品回収の専門業者に依頼をするのも手です。専門業者の場合には、中身が入ったスプレー缶の処理をする手間はいりません。

「一気にまとめてスプレー缶を処分したいけど、時間が無い」「穴あけ器を今から買って自分たちで作業するのはちょっと……」という時には、業者にまとめてお願いしてしまうのがおすすめです。

おわりに

スプレー缶の処分方法・捨て方のルールは、2018年以降、各自治体で大きく変更が行われています。例えば宮城県仙台市では、2020年(令和2年)の3月から、スプレー缶の穴あけが不要となりました。

「以前はこうだったから」という思い込みでスプレー缶を捨てるのは絶対にやめましょう。また「捨てる方法がよくわからない」「調べるのが面倒だな」という時には、不用品処分をしてくれるプロにおまかせするのが手早いですよ。

 

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