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親の遺品を捨てられない時は?気持ちを整理する6つの考え方

遺品が捨てられない

親や大切な家族を失った後には、故人が使っていた衣類や家財道具等の多くの遺品がのこされます。「親の遺品をなかなか捨てられない」「でもいつまでも遺品を置いておけない」と、悩んでしまう人も少なくありません。

親や家族の遺品を処分することにためらいを覚えるのは当然とも言えます。故人を悼む気持ち、故人を忘れたくないという思い…それらの気持ちを持つのは大切なことです。しかし現実的な観点から言えば、いつまでもすべての遺品をそのまま置いておくというわけにもいきませんね。

親の遺品を捨てられない時、私達はどのように気持ちに整理をつけ、遺品の処分に取り組めばよいのでしょうか?ここではその6つの考え方のポイントや、実際の遺品整理の取組みについて解説していきます。

親の遺品が捨てられない理由とは?

親の遺品が捨てられない理由
親の遺品を捨てられない--その理由は必ずしもひとつではないかもしれません。気持ちに整理をつけて親の遺品を処分するために、まず「捨てられない理由」を見定めましょう。

多くの人が遺品整理が進まないと悩む理由や、親の遺品を捨てることに対し心理的に抵抗感を持ってしまう理由をまとめてみました。

処分するものの判断がつかない

故人の遺品を整理するのが初めての人にとって「何を取っておくべきか」「何を捨てるべきなのか」の判断基準は難しいものです。「故人にまつわる何もかもを捨てなくてはいけない」と思い込んで、かえって遺品整理への拒否感が増してしまう人もいます。

また故人の趣味のコレクション等が遺品にある場合、その希少価値等がわからず、処分・整理が進まないケースも少なくありません。

「捨てたらバチがあたるかも」と思う

仏壇・神棚等の宗教関連のもの、また故人の愛用品や人形等については「捨てるとバチが当たる」と精神的な忌避感を持つ方が多いです。これは「物品に魂が宿る」という日本ならではの宗教観と言えるでしょう。

そのため日本では古来より仏壇や人形、その他思い入れのある品に対して、供養(物品等の供養)を行うという風習があります。ところが近年では昔に比べて、檀那寺・菩提寺等のお寺との付き合いも薄くなり、物品供養の風習をご存じない人も多くなりました。

物品供養の存在を知らないことが「遺品の処分=すべてゴミとして捨てられる」という思い込みに繋がり、遺品整理が進まない一因となっているようです。

「いつか使うかも」と考えてしまう

「モノを大切にしなくては」と考える人ほど陥りがちなのが、「将来的に使うかもしれない」という考えです。例えばご親族のどなたもゴルフをしないのに「いつか使うかも」と遺品のゴルフセットを取っておいてしまう…遺品整理の場に限らず、大掃除や引越しの時に同じような考えに至ったことがある人も多いのではないでしょうか。

しかし故人のすべての遺品に対して「いつか使える」「欲しい人が出てくるかも」と超・長期的な目線で判断をすると、結局遺品のほとんどを処分できなくなってしまいます。

故人の遺品に囲まれるのが辛い

突然の事故等で親や家族を失った時には、特に気持ちに整理がつくのに時間がかかるものです。「故人の遺品に触れるのも辛い」「故人の思い出が詰まった部屋に入りたくない」という方も少なくないことでしょう。

状況にゆとりがあるならば、このような時には無理をせず、時間を置いて気持ちを鎮めることも大切です。しかし次のような場合には物理的な制限が迫ってくるため、いち早く遺品整理に取り掛からなくてはなりません。

故人の住居が賃貸物件で退去日が迫っている
孤独死・事故死等で即時退去を求められている
親の遺品を置いておく場所が無い 等

家が遠い・忙しくて時間が取れない

故人の遺品とは、貴重品や財産のみならず、家具や家・、衣類・その他日用品等の多岐にわたります。それらの遺品をすべて整理するにはまとまった時間が必要です。

故人の家との距離が遠い場合、移動も含めて数日以上は遺品整理に日数を取らなくてはならないでしょう。特に仕事や子育て等でなかなか時間が取れないと、「やらなくては」とわかっていても親の遺品の処分が進まないケースが少なくありません。

気持ちの整理をするための6つの考え方

リサイクルイズミの物品供養
親の遺品が捨てられない原因について、思い当たるところはあったでしょうか?遺品の整理にスムーズにとりかかるには、まず自分自身の気持ちの整理をつけることが大切です。

「親の遺品が捨てられない」と悩んだ時に知っておきたい6つの考え方をご紹介します。

1.「遺品整理=ぜんぶ捨てる」ではない

「親の遺品が捨てられない!」と悩んでいる時、人は考え方が極端になってしまいがちです。

親の遺品をすべて捨てることが遺品整理ではありません。

例えばアルバムや写真、故人の愛用品の一部を「思い出の品」として残していくのは当然のことと言えます。遺品整理は「捨てるだけ」ではなく、まず最初に「手元に残すもの」を選んでいくことなのです。「全部捨てなくては」と思い込むのをやめて、遺品整理に取り掛かる気持ちをラクにさせましょう。

2.「遺品を残す」は故人の希望?

「遺品を捨てると故人に悪い」と悩んだ時には思い返してみましょう--故人に「これを捨てるな」と頼まれた物はあったでしょうか?それは遺品全部ですか?「故人の希望」を、自分の中で決めてしまっていないでしょうか?

もし多くの遺品を残した場合、家族達は大量の遺品に囲まれて、その保管場所やメンテナンスに苦慮しながら窮屈に過ごすことになります。はたして、親は残された子どもたちにそのような生活を送ってほしいものでしょうか?

親が子に対して望むのは「幸せであること」「元気で居ること」等でしょう。無理にモノを残して、生活のしにくい日々を送ることを望む親は居ないはずです。

立場を変えて、我が子や親族への気持ちを思い返してみましょう。あなたがこの世を去る時、自分の子どもや親族に「生活を犠牲にしてでも、自分の残したモノを捨てるな」と思うでしょうか?そう望む人は居ないことでしょう。

3.「いずれ処分する」のは誰?

「いずれは親の遺品を捨てなくてはならない」と思いつつ、つい先延ばしにしてしまう--これを繰り返しても、遺品が勝手に自分で消えてなくなることはありません。

では積みあげられた遺品を何十年と保管したとして、その遺品を将来的に処分するのは誰でしょうか?一般的には、あなたの子どもやご家族にその責任が回ってくることになります。

家族代々で受け継ぐ品等を除けば、子どもの代(親御さんから見れば孫の代)にまで残す品はほとんど無いことでしょう。遺品はいずれ必ず、誰かが処分するものなのです。永久に残していけるものではありません。

そして例えばあなたが亡くなった場合、ご家族は「あなたの遺品」も整理をする必要が出てきます。自分の親と自分の二世代分の遺品管理を子どもに託す--そこまでして残す遺品が大量にあるだろうか?と考えてみましょう。

4.「いつか使う」の「いつか」はいつ?

「いつか使うかもしれないから」と、今使わないのに保管をした遺品。はたして、その「いつか」が来るのはいつでしょうか?

例えばスーツケースの耐用年数は、平均5年程度です。「いつか使うかも」と遺品のスーツケースを保管しても、眠らせている間にさらに経年劣化は進みます。「いつか」が来た時には、機能が十分に使えなくなっている可能性も高いのです。これでは保管していた場所や手間の分だけソンをしていたことになりますね。

「要るのか、要らないのか」を決める手段として「この品が今、店で売られていたら買うだろうか?」と考えてみるのも手です。その品をお金を出して買いますか?いくらで買うでしょうか?

もしも「お金を出すほどではないな」と考えるのならば、それはあなたにとって必要の無いモノであり、「いつか」が来ないモノなのです。

5.物品供養と「使ってもらう供養」

上でも触れたとおり、お寺や神社の中には仏壇やお人形・その他故人の愛用品等の供養をお願いできるところもあります。

親の遺品の中でも特に捨てにくい愛用品や仏壇等については「物品供養」を検討してみると良いでしょう。

また遺品の中で寄付やリサイクルができるもの等は、施設に寄付したり、リサイクルショップ等に売りに出すのも手です。物置等でひたすら眠り続けているよりも、使いたい人の手に渡り十分に使って貰う方が、ひとつひとつのモノにとっても供養となるのではないでしょうか。

 

6.一人で抱え込むのをやめよう

親の遺品整理にまつわるアレコレを、すべて一人で片付けようとしていませんか?もしかしたらそれは「キャパオーバー」かもしれません。

上でも述べましたが、「遺品」とは貴重品や財産価値があるものだけでなく、使っていた家具や衣類・日用品等、故人が所有していたすべてのモノを指す言葉です。

ですから片付けるべき「遺品」の量は、一人暮らしの引越荷物を遥かに越える膨大さとなることが珍しくありません。その物量を一人で仕分け、処分するのは至難の業です。引越作業をたった一人で行うようなもの…といえば、その大変さが伝わるのではないでしょうか?

すべてを自分ひとりで行おうと無理をしたり、精神的な負担を抱え込むのはやめましょう。周囲の家族や親族に協力を依頼することを検討してみてください。また遺品整理業者等への外注を視野にいれるのも手です。

モノを片付けるのが苦手な人にとっては、整理作業そのものが精神的に苦痛となることもあります。しかし「他の人に見ていてもらう」「アドバイスを貰う」というだけで、スッと気持ちがラクになり、冷静な判断ができるようになるケースも。「一人でやらなくては」という思い込みを手放すことが、遺品整理をスムーズに進める大きな一歩となるのです。

遺品の整理をする5つのステップ

遺品の整理をする5つのステップ
では実際に親の遺品の整理をする時には、どのように手順を進めていけば良いのかを見ていきましょう。

1.仕分けをする

遺品のすべてを次のように分類します。

思い出の品(日記やアルバム、愛用品等)
貴重品(通帳、保険証書等)
売れるもの・寄付するもの(貴金属品、新し目の家電、趣味のコレクション等)
不用品(寝具、衣類、使わない家具等)

2.ごみ処分の手続きをする

可燃ごみ・不燃ごみ等のゴミ類は、住居のある自治体の分別ルールにあわせて分別し、指定の曜日にごみ集積所に出します。なおゴミの量によっては、事前にゴミ集積所に依頼をした方が良い場合もあります。

粗大ごみ等は事前に各自治体に申し込み手続きを行って、有料で収集してもらいます。粗大ゴミが出せる日にちが数週間先になってしまうこともあるので、早めに申し込みをしましょう。

3.解体・搬出作業をする

家具や家電等の大型のものを処分する場合、搬出には大人2~3名程度の人手が必要です。解体しないと搬出できないものもあるので、事前に状態をよく確認し、搬出の手順を決めましょう。

4.リサイクルや寄付の手続きをする

遺品の品物に合わせて、リサイクル先や寄付する施設を探します。

リサイクルショップ
古書店等の中古品買取店
ネットオークション
福祉施設 等

5.物品供養をする

仏壇・位牌等の物品の供養の手配を進めます。菩提寺・檀那寺で供養を依頼ができる場合もありますので相談してみましょう。お寺が物品供養に対応していない場合には、供養をしてくれる寺を別に探す必要があります。

なお供養にかかる供養料は神社仏閣により異なります。寺院によっては非常に高額となる場合もありますのでご注意ください。

遺品整理を業者に頼むのも手

遺品整理業者リサイクルイズミ
「やっぱり親の遺品を自分では捨てられない」「遺品整理を進める時間が無い」…そんな時には、遺品整理を丸ごと業者に依頼するのも手です。遺品整理を業者に依頼する場合、次のようなメリットがあります。

遺品整理が一日で片付けられる

遺品整理業者に依頼をすれば、解体・搬出等を含めて遺品整理は概ね一日で作業が完了します。早く片付けを終えてホッとしたい時や、退去日が迫っている場合でも安心です。

立ち会い無しもOKで精神的負担が軽い

遺品整理業者の中には、親族の立ち会い無しでも作業を進めてくれるところもあります。鍵を預ければOKなので、故人の家が遠方の場合でも遺品整理が進められるのです。

また立ち会い不要の遺品整理業者を利用すれば、「遺品整理の現場に要るのが辛い」「親の遺品を見ているのが辛い」といった時の精神的な負担の軽減にも繋がります。

リサイクルの手続きが不要

リサイクルショップや中古買取ショップと提携している遺品整理業者であれば、リユース可能なものは適切に仕分けて使い先を探してくれます。「捨ててしまうのはしのびないから」と、遺品のひとつひとつのリサイクル先・寄付先を探す必要はありません。

物品供養も依頼できる

遺品整理業者の一部では、寺院・僧侶と提携し、仏壇や愛用品等の物品供養も請け負ってくれます。粗大ごみ類の搬出や処分と供養する品の搬出が一度でスムーズに済ませられるので、あれこれと手続きをしたくない時にも便利です。

また供養料金が事前に明瞭にわかるという点も、寺院に自身で供養を申し込むのに比べて頼みやすいポイントと言えるでしょう。

おわりに

親の遺品を捨てられずに悩むことは、けして珍しいことではなく、ましてや悪いことではありません。しかしあなたがいつまでも悩み続けている状態は、けして故人も望まないことでしょう。

「このままではいけないな」と思った時が、踏ん切りをつける良いタイミングと言えるのではないでしょうか。

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